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みなさん おつかれさまです。 自称 夏評論家の海岸屋としては 近来まれにみる上等な夏を迎えて欣快の至りであります。 いやー 暑いなー。 最高です。 今年の夏をして一級品と認めるのにヤブサカではないんですが 残念ながら海岸屋はそれを100%満喫しているわけではないのです。 そう。 ドイツはさっぱり暑くなかった・・・・とほほ。 さて、海岸屋一味がドイツに行ってきたのは 「ドイツ削ろう会」に参加するためでした。 日本の「削ろう会」は 「手鉋でいかに薄い鉋屑を出すか」という集まりで、 そこから派生した日本各地の削ろう会も、ほぼ似たような趣旨だと思います。 マサカリとかチョウナもやるけど でもやっぱり中心は薄削りですね。 ところがドイツ削ろう会は少し趣が違っていて、 「手道具だけでナニカを作る」 というかんじです。 鳥居を作ったり 小屋を作ったり。 それで今回は 「橋」を「手道具だけで作る」 という運びになったらしい です。 手道具だけ! 大いにけっこう! なのですが、今回は・・ 丸太からの製材も手道具だけ でした。 いやいや このブログを読んで下さっているような 高貴な方々に対して言うことじゃないんですが、 「丸太からの製材を手道具だけで」 やったことのある方! 手を挙げて下さい。 あ! 何人かが手を挙げてる・・・・ これね、 ハツリになるか 鋸挽きになるか なんですけど どっちを選んでも・・・ 大変なんです!! こんなふうに二人一組で丸太の横に立って 斧でV形の切込みを入れていきます。 これって、空振りすると斧が自分の方に飛んでくるし、 うっかり丸太に食い込ませると相棒の斧とぶつかるし、 で、 銘品「つんぼ」の大工鉞を振り回してね。 そう、 初日は夕方までびっしりコレ。 向こうの皆さん、体がでかいです。 大きい方の身長は2m(!) 平均でも1.8m以上はあるでしょう。 海岸屋の身長は公称168cm(本当はもっと縮んでいます。)ですが 女性の大工さんを含めてそんなに小さい人はいなかったと思います。 だって、ドイツって男子小便器の取り付け位置が高くて こっちは用を足すときってつま先立ちですもんね。 もー くっつきそうです。 腹立つ!・・・あ・いやいやトイレの話はいいんですが。 何が言いたいかって まあ 向こうの大工さんはみんなパワーがすごいです。 はるばる日本から行って引けを取っちゃいけないと思って 慣れない西洋式ハツリをやりましたが・・・ 一週間後に合流するK女史に電話をして テーピング用のテープとサポーターを頼んだのは内緒です。 (いや、ウチの若い衆がね・・むにゃむにゃ) 仕上げ用の斧でハツって行く年配の大工さん。 真っ白で長いヒゲ 伝統的な衣装 そして 足元は「木靴」!! 先輩! シブいっす! でも年齢を聞いたら海岸屋よりも四つも年下だった・・ これでまだ初日・・・ いったいどうなるのか海岸屋一味(この時点で3人) たぶん続くとは思うけど・・ ではまた! #
by kaiganyafoo
| 2018-08-26 18:28
| 海岸屋ふーの流儀
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みなさん おつかれさまです。 突然ですが海岸屋は無類の酒好きです。 今はやりの酒でなければ日本酒でも洋酒でもオッケーです。 その酒を作った人とか酒蔵 成分や傾向 歴史や背景など興味は尽きません。 ただ、残念ながら下戸。 利き酒をしながらヤクルト容器一本分くらい飲んだら 次の日は二日酔いでした。 中学生よりも酒が弱いです。(違法だ) それだけ酒が弱くて 何が酒好きだ! と言う声が聞こえますが 大食いの人が皆グルメというわけではないでしょ? 小食の美食家だっているよね。(強引) さて 大工という仕事は木を扱う仕事ですから ある程度、木の重さというのは知ってるつもりですが 立ち木の伐採とか丸太とかいう話になると少し勝手が違います。 たぶん8tくらいはあるのではないでしょうか。 これは樫の木ですから、鉋の台を掘りほうだいの 玄翁の柄がすげほうだいなんですが、今回はそうではない。 海岸屋はこれで枕木を作りました。 3寸角で150丁ほど。(3寸角ですらけっこう重かった・・・なー?M君) 一年中で木を伐るのに一番良くない時期ですから 乾くときにカビが生えたり 割れが入ったりするのかと思いますが 実際にどのくらいダメなものなのか知ってる人はいないのかもしれません。 様子のいい枕木は風通しのいい日陰においてありますから 万一うまく乾いたら鉋台にしてみるのもいいかもしれません。 で、150丁の樫の枕木でいったい何をするのか と言えば それは内緒 ということにしておきます。 作戦名は「O型作戦」でしょうか・・・ 作戦発動中という噂もあります。 それから石。 石は当然重いです。 重いと思ったよ。 海岸屋が一番デブだった時と変わらないじゃんか。 (註 今はマイケルジャクソンのようにスマートです。) いやいや、周到な検討をしているわけで、 この工事が「イ号計画」の最終工事になりました。 あ クランプが残ってる・・・ さて それやこれやで忙しくしている海岸屋一味ですが そのさなかにしばらくドイツに行って参ります。 なんて素敵な・・・ これはそこで使う予定の、舟弘の叩き鑿6本組です。 昨日の夜中に仕込んで研ぎました。(バタバタです。) (舟弘さん急かしてすみませんでした!) ドイツで叩き鑿とは何事? とお考えの皆さま。 「木造の橋」を手道具だけで作るそうでございます。まじか! ドイツとかチェコとかフランスとかの大工さんもいる・・のかな・・? まー 海岸屋一味は手仕事屋ですから、鑿 鋸 鉋はお手のものですが そしてマサカリ、チョウナも栃本鳥居建立でだいぶうまくなりましたが (当社比) ヨーロッパの大工の皆さんと比べてどうなんでしょう・・・ 小さな胸をいためています。(ウソ) まあ、一を聞いて十を知る男、と言うよりも 一を見たら三十くらい語る海岸屋ですから ドイツから帰ってきたアカツキにはきっと イヤミの「おフランス」くらいにはなることと思われます。 そんな注意報を出しつつ、ではまた。
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by kaiganyafoo
| 2018-07-07 19:31
| 工事
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みなさん おつかれさまです。
このあいだ床屋に行った海岸屋です。 ソフトモヒカン とか言う短めの髪型にしているせいで 月に二回くらいは床屋に行きます。 ちょっと面倒。 以前はバリカンで坊主頭に刈ってました。 自分でね。 でも、ヤ◯ザとかウ◯クみたいに見えるらしく 坊主禁止令が出ています。 はー やれやれ。 柴犬なんかいつも床屋行きたてみたいにすっきり見える気がするけど あんなふうにならないものかしら・・ さて、足場もばらして本当の終盤にさしかかっている「イ号計画」の住宅ですが これは十和田石と言って たぶん十和田湖の方から来るんだと思いますが、 5枚ひと梱包で、けっこう重い。 急に女の子のふりをするK女子(失言)は持ち上がらないそうです。 もう一度言います けっこう重い。 これは玄関土間の様子。 洗い出し ですね。 種石もそうですが、左官材全般みんな重いです。 海岸屋が修行をはじめた頃のセメントは一袋40kg。 トラックに何十袋も積み込んでふうふう言ってる海岸屋に、 タルみたいな体したオヤジどもが 「重たいかぁー? ついこのあいだまで一袋50kgだったぞ。」 「なにが50kgだ 米でもなんでも一俵は60kgに決まってたんだ、がはは。」 などとイジってきたものでした。 まあ、重機がなければ10t積みの大型ダンプに 砂でも砂利でも手積みで満載に積み込んでそれから仕事に出かける そんなオヤジどもですから文句も言えません。 (重機の手配を忘れたのはワタシ・・) 今、セメントは一袋25kgですか。 ホームセンターでは20kgだったかもしれません。 石とは本来「据える」とか「築く」ものだったのではなかろうか、 というハナシ。 1t以上あるそうです。 もちろん重い。 諏訪の鉄平君です。(人名ではありません) 今どきの現場はみんな張る(貼る?)ことに終始します。 内部は石膏ボードを張ってビニールクロスを貼る 床はベニヤを張ってクッションフロアを貼る 外部はタイベックを貼ってサイディングを張る という具合です。 昔の家はそうじゃない。 床は畳で これは敷くものだし 壁は左官で これは塗るものです。 屋根の瓦は葺くもの 石は据えるもの。 どうして今は張る(貼る)ばかりになったんだろうな と思っていたんですが、 去年の勉強会で講師においでになった泉幸甫先生が、 「輸送の都合」 で、軽い材料を使うようになったのである! と説明するのを聞いて、なるほど! と腑に落ちました。 畳だって昔のものは重いもんな。 現代の住宅を作っている現場の諸君! 皆さんのあつかっている材料は軽いそうですぞ? いやーでも ちょっとしかウチにいなかったT君は9・5mmの石膏ボード運ぶのに 「一枚ずつでもいいですか」 って言ってたなぁ・・ 音楽の好みはヘビーなメタルだったのに。 軽い建材で家を作っていて 出来上がった家も軽い となるとそれはどうなんでしょうね? 価値とか印象とか。 食べ物の好みも服のはやりも(タバコとかも!) 今はライトな感覚がウケるんだよ! とか言われればそれは確かにそうなんだろうけど 中味が薄くなってたりしませんか? 新建材は人間の都合で軽くなったりするんでしょうけど 素材、つまり材木とか丸太とか、石とか土とかは 人間の都合になんか合わせてくれなくて 人間の方で素材の都合に合わせていくわけです。 マグロは大きいからさばけませんとか カボチャは堅くて切れないですとか 食べ物の職人は言わないよねぇ?(言わないよね?) 現代文明は人を去勢する作用がある と海岸屋は思ってますが そんな物騒な話はここではさておき 重い素材でもそれを使いこなして家を作ろうぜってことです。 あの、タルみたいな体したオヤジどもになんて言うか聞いてみたいな。 海岸屋のよーなかるーいヤツが何を言うか! って言う声が聞こえる! やっぱ聞くのやめとこう。 40年も経ってるから大丈夫だろうけど。 そう言うわけで次の現場も重い現場です。 どのくらい重いか というと60年分プラスアルファ 歴史の重みと建物の重みを感じる現場になりそうです。 ではまた。
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by kaiganyafoo
| 2018-06-19 20:03
| 材料
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みなさん おつかれさまです。
「イ」号作戦を展開している海岸屋ふー 一味ですが 木工事をほぼ終えて左官工事が始まりました。 初日は5人 次の日は7人入ってます。 現場にね。 左官工事。 深いな。 あんまり深いから奥行きがどのくらいだかわかりません。 まず外部 それから網を張ります。 ラス網ですね。 防水紙はこれ。 これは少し違う。 ずいぶん丈夫です。 手ではちぎれない という感触。 まあ、この防水層を突破されても通気胴縁があるから そのまま空気層を通って外部に滴り落ちるようにはなっていますが。 そして網。 軒天井用には柔らかいもの 風呂場には硬くて薄いもの そして外壁部分はこれです。 海岸屋の手じゃなくて網のほうが。 通称波ラスとか言います。 厚みがあるので 下地のモルタルをたくさん塗らないと網が隠れません。 なぜか。 左官壁って厚みで性能を出すところがあって ある程度の塗り厚は必要なんじゃないかと考えているからです。 そうやって厚みのある下塗りをしたあとに仕上げを塗ります。 で、 手仕事のできる大工さんも減ってると思いますが 左官屋さんもずいぶん減ったと思います。 外壁はサイディングに 内壁はクロスに 玄関土間はタイルに 風呂はユニットバスに・・ と 今や住宅の中で左官の仕事はほとんどなくなってきていますから。 でも、サイディングの外壁が定期的に塗装をしないといけないのに比べて 左官壁のメンテナンスってもっとずっと安上がり。 何十年もノーメンテの家もざらにあります。 年配の方が左官壁は剥がれて始末が悪いから嫌いとおっしゃるのを聞きますが 今はもう全然使わなくなった繊維壁のことだったり 地震でクラックが入った土壁のことだったりします。 去年、海岸屋は一年間 左官の勉強会に通って色々な左官屋さんに話を聞きましたが、 世界中で日本の左官技術に匹敵するものはもうなくなっていて ドイツやフランスに日本の左官の職人が教えに行ってる時代だそうです。 これは松木さんという左官屋さんに教わって 色のきれいな土で絵を描いているところ こっちは都倉さんという左官屋さんに教わった磨きの技法です。 キレイな心の人が磨くとものすごく光ります。(?) こうやって奥深い左官の世界の入口でウロウロしてても 現場で役立つことがなかなかないんですが それでも 知らなかったことを知るのは楽しいです。 「イ」号計画は左官の仕上げの表情も決まって 工事も終盤に入ってきました。 楽しみなような ちょっと残念なような そんな気分もいつも通り。 ではまた! #
by kaiganyafoo
| 2018-04-14 20:02
| 工事
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みなさん おつかれさまです。
海岸屋は ふくらはぎとかがつったりするのを こむら返り と言っています。 それを こぶら返り と言う人がいて、コブラ? がっはっは それは聞き間違いの言い間違いだぜー と笑い飛ばしていたのですが・・・・ なんでも知ってるインターネットで検索してみたら そういう表現もあるのだ と書いてあってびっくりした海岸屋です。 ごめんK女史 そういう言い方があるらしい。 さて いくつになっても知らないことってあるもんですが ウチに来て半年足らずのM君、墨付け、刻みのデビューです。 知らないことだらけですな。 墨付け と言うのは加工のために材料に書き込みをすることです。 これはとても小さい建物なんですけど、大きくても基本は同じ。 土台、桁、梁、母屋、柱 と順番に作っていきます。 で、 わりと大事で、しかもわかりにくいところだと思いますが 初めての仕事でも 海岸屋はM君にほとんど何も教えません。 手放し運転(?)です。 もうそろそろ出来るだろう という時期になったら 「次の現場は一人でやってみるか?」 と聞いて 本人が「やりたいです」と答えたら任せる。 それだけです。 修行中の大工さんの難しいところはその辺にもあって 教えてもらってないからできません とは言えない。 「毎日現場で仕事して、何見てるんだ!」と怒られかねないからです。 道具にしても技術にしても 一人前の大工さんを、見て、真似して そうやって準備を重ねておかなくてはいけません。 逆に、言葉で説明したからといって、 例えば刃物の研ぎだとか、(自転車の乗り方でもいいですけど) 出来るようになるのかと言えばそうではないですよね? 身につける技術というのは、言葉で説明できない部分が多いのだと思います。 海岸屋の親方という人は 非常に高度な技術を持った人でしたけれど、 例えば 鉋掛けにしても 何かを具体的に教えてもらったという記憶はほとんどありません。 現場や作業場、それから研ぎ場をきれいにしておけ という話をされた記憶ならありますが。 無事に棟があがりました。 一か所だけ手直しがありましたけど 合格点と言っていいかと思います。 彼もこれで安心して眠れることでしょう。 やれやれ 大工さんって大変だな。 ではまた。 #
by kaiganyafoo
| 2018-04-06 19:58
| 工事
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