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みなさん おつかれさまです。 前回は自分のことを老人呼ばわりしましたが 先日、ウチの奥さま(!)のお父様が亡くなりました。 おん歳96歳(年男) 堂々たる大正生まれで 戦争では満州が寒くて飛行機の燃料でん何でん飲みよりました(熊本弁) らしいです。 今や120kgもあるウチの次男が小さいときに おぶってあやしてくれたことや 馬の背んごたる山道をオート三輪で材木出した話、忘れません。 合掌。 さて、 新築工事に使った材料の話がしたいです。 まずこれ 左側に写っている白っぽくて長ーい柱ですよー これは例えばこうなってる おーう これはこの木がビール瓶くらいの太さのときに一回目の枝打ちをしたから その後10年くらいは苦労して育ったんだなぁ・・・って 見るのはそこじゃありません。 大工さんがこの柱の芯に届くくらいの切れ込みを入れて 木が乾燥してその切れ込みが開くだけ開いたら 今度はそこを別の木でふさいである、ってところを見てください。 (時計で言ったら8時くらいの方向っす) 切れ込みのことを「背割り」 別の木でふさぐのを「埋め木」って言います。 そうしないと芯がある柱ってたいてい割れるし 見えるところが割れたらかっこ悪いでしょ?っていう気遣いなんですね。 これと同じことを大黒柱にもしてあります。 いかにも木を素のままで使う日本人らしい細工、ですね。 芯を持ってたら割れるんだよっ て写真をもう一枚。 これがこうなって (埋め木だねぇ・・・ ナラで埋めた) とか書いてあります。 (一部に誇張があります。) そしてこうなりました。 敷居兼用の框も共材の地松 ウッドマイレージ良好。 杉板はウチに、松は大工さんのところにずーっとあったから いずれも時間のマイレージは良好じゃない。 (何を言ってるのか意味がわからない) まー これでヒノキ・杉・松と針葉樹シリーズです。 (ホントは屋久杉もある) そして ここのお宅はナラ・タモ・桜と、広葉樹シリーズもあるんです。 上の写真の建具枠はナラですしね。 さて、 義父の96歳は天寿だと海岸屋は思ってますが 私たちの作るすまいも天寿を全うしてもらいたい。 建物の天寿はどうやって決まるのか、一つには建物の物質的な素質でしょう。 ここで松を使った式台・框がもし杉だったら古くなるころには減ってくるし、 大黒柱と階段まわりをヒノキにしたのは強度と粘りが欲しかったから。 机を杉にしたのは冬でも冷たくない、夏は汗でべたつかない そんな理由からです。 もう一つは住む人に大事にされるだけの魅力をもつことではないか。 建物の寿命というのは使い手の愛情に大きく左右されるものだから。 と、言うわけで次回の広葉樹編では 住む人に大事にしてもらえるようにしたしかけ(?)をお伝えします。 大きく出ましたねぇ・・ ではまた!
by kaiganyafoo
| 2020-12-10 23:30
| 材料
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Comments(2)
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by
さいとう
at 2020-12-19 23:59
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海岸屋フーさんの家作りに対する愛をいつも感じています。
私たち、素人には見えない、気づかない設計、施工が施された丁寧な家に多くの人が気づくきっかけ。 家もそんな家の一つになれたらいいなぁ。
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Commented
by
kaiganyafoo at 2020-12-20 11:58
さいとうさま
コメント、ありがとうございます。 新築には新築の、リフォームにはリフォームの難しさを感じます。 完成したら見えなくなるところでも大事なところはたくさんあって、黙ってそこを納めればかっこいいんでしょうが私は説明したい派ですね。 口数の多い職人は腕が悪いという定評があるようですが・・・
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