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みなさん おつかれさまです。 このあいだK女史と車に乗って移動中に 何か面白い話になって大笑いして これはブログのネタに使えるよねぇ などと言ってたのに それが何だったか思い出せません。 K女史も同様です。 さて、 読む人のテンションもダダ下がりの基礎編三回目 まずはこれです。 掘る。 千葉だけなのかそうでないのか 床下には土が吹き寄せられてていて土台がうずまってることが多い。 そうなると湿気でやられる。 でも あんまり土をかき出すと周囲よりも低くなって 床下に雨水が流れ込んだりします。 ホント、建物は少し高い位置に置きたいですよね。 揚げ屋するならそこもOKになりますね。 土中になんか四角いものが見える方。 その方は海岸屋と同じで心のきれいな人なんですが、 これは外房でよく見る「岩地業」です。 ツルハシで掘れるくらいの「岩」を(砂岩ではないかと・・・) 突き固めたりした穴に入れて その上に石を据えます。 その石の上に土台が載ってるわけです。 わかりますか? 下から 地業 「岩」(土の中に埋まってる) 基礎 「石」 (半分くらいは埋まっていても可) 土台 「木」 (空中に。できれば10cmくらい浮いていてほしいです。) という順序です。 今回は岩地業を壊さずにていねいに掘り出して 砕石を敷いて型枠を設置して・・ 生コンを打ちます。 上部の加重に応じて基礎の大きさは3種類ある。 ポンプ車のオペレーターさん、名人芸です。 いろいろあったけどこの現場はこうやって不動沈下を修正しました。 柱の傾きも、土台を水平に戻してからでなくてはうまくいかないんです。 しかし・・・ コメントをいただいたように これができる予算がない場合 どうするのか。 これを仮に壊してしまうとした場合、 身近にあるものの価値を、今だけの価値観で決めていいのか? しかも勉強も感性も足りないに決まっている私たちが?(たち?) ああん? と、思うわけであります。 古い話をすれば千利休から 柳宗悦、宮本常一、坂田和實さんにいたるまで それまでにない新しい切り口で 新しい価値観を提示してくれた人は何人もいます。 でも その「モノ」自体は以前からそこにあったのです。 人がそれに後から気づいただけ。 今、壊したり捨てたりすれば その機会は失われてしまいます。 唐突ですが・・・・ 一体何事? という写真。 ドイツの地方都市ですが、建築関係者だったら 怪しい雰囲気を感じていただけるかも。 はい、水平垂直が、けっこうアレです。 白っぽい建物の窓台とか見ていただけると。 一番左の建物の二階の外壁なんか けっこう・・ 外側にふくらんでいるからちょっと怖い。 三軒続けて水平垂直がかなりやられてます。 ここの町は昔、井戸水をくみ上げるとそれが塩水で それで塩を作って国の内外に売って栄えたといいます。 地下水位が下がって地盤沈下したものが建物に影響している。 これを地元の人たちはどうしてるか というと こまかく修理をしながら使い続けていて、 壊したりはしていないってのが街並みをみるとわかります。 そのときそのときで直せる範囲で直して ちゃんと使い続けながら次の時代に手渡す。 自分たちの先祖が積み上げてきたものに対する敬意を感じますし 「そんなに手間暇かけて直すなら いっそ壊して新しくしたほうがいいんじゃないの?」 と言う、バブル期にはしょっちゅう聞かされた乱暴なセリフは ここでは聞かれないセリフであると言う気がします。 確かに、コメントをいただいたように 「(改修工事の)正解はひとつ、しかし選択肢は幾つかある」 という言葉からは技術職としての誇りを感じますし 「バチが当たるほどほとんど傾いたまま固めちまってます。」 と言う言葉からは古い建物に対する愛情と残す意思を感じます。 ドイツの例を出したのは唐突かもしれませんが 外国の街並みを見て感心し、ひるがえって 自国の街並みに劣等感を抱いた人は数多くいるはず。 その国の街並みの風景が そこに暮らす人の心象風景の反映であるならば 今の日本の街並みが表すだろう私たちの心の中には 自分たちがしている仕事への不信感や 足りない覚悟などがあるのではないでしょうか。 ブログのネタもど忘れする分際で 何も大きく構える必要はないのですが 至らない考えではあっても敢えて表すことで 自分の姿勢を問うていきたいと思っているのです。 皆さんのご批判をお願いいたします。 次回は 現場に入れる材料 入れない材料、 そして、柱の根継ぎの考え方 です。 そう まだ続くんです、ごめんなさい。 ではまた!
by kaiganyafoo
| 2020-02-24 22:40
| 工事
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