海岸屋ふー通信


海浜住宅建築舎
by kaiganyafoo
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古民家改修 解体編・・・の続き

みなさん おつかれさまです。


海岸屋の本拠地はずいぶんと幅広い年齢の方が出入りして下さいますが
女性で若いほうから二番目の「ふーちゃん」のことを
近しい人は「ふみっちょろ」と呼ぶことがあるんです。
小さくてちょろちょろしているからかな?と考えてみても
なぜか なんだかすこーし気になる。
それが
このあいだ、「はげっちょろ」に似てないか?と思いついたんだけど。
いや
いやいや
海岸屋は薄くないよ。
マスダヘアーデザインのSさん そうだよね。
頼むぜ。(頼んでどうする)


さて
古民家の解体は楽しいって話を前回しましたが
こんな話を何回も続けると善男善女のみなさんの興味はダダ下がりになります。
だからもう一回だけね。

天井を落として 鴨居と長押をはずして土壁をはがしたら
今度は足元をばらします。
古民家改修 解体編・・・の続き_a0157159_23393872.jpg




足元に敷居が見えますよね?
これを外すとこうなってる。
古民家改修 解体編・・・の続き_a0157159_23420995.jpg





柱の真ん中に飛び出しているのが「待ちホゾ」で
敷居の方を切り欠いてあるからここに落とし込むと左右にずれない。
そうしておいて柱のくぼみと同じくぼみが敷居にも掘ってあって
横から角栓を打ち込むと上下左右に固定できる そんな仕掛けです。

解体のときは・・海岸屋は角栓にビスを打って釘抜きで抜きます。
ただ、
これが順序立てて納めていくから隣の敷居で隠されて
角栓が横から見えないんです。

「作ったときの逆順でばらせ」って言ったけど
若い子は「わかんないです。切るしかないですよ。」って返事をする。
むー

じゃあ、この敷居を入れるためには先にこれを入れて
その前はこれだから・・・って見ていくと最後に入れたのは玄関廻り。

今度はそこからはずしていって・・・
昔の親方が一番最初に入れた敷居はこれ。
(ここに写っているセーバーソーで何を切ったのかは秘密)
古民家改修 解体編・・・の続き_a0157159_23552271.jpg














これも、「角栓はずしたのに敷居が持ちあがりません。」って言われて
「そうか? そんなことないだろう?」って返事して
でも床下に潜ってみたら下から引っ張ってあった という仕事です。

座敷と縁側の境に入れてある敷居の下は
縁甲板にぴったりくっつけたいもの。
ちょっとでも浮いていると横から見えるし
ただ上から置いておけばくっつくほど簡単じゃないし。
古民家改修 解体編・・・の続き_a0157159_00233891.jpg














上はアリを寄せて下は栓で引っ張ってありました。
頑張った!
手順が読めると昔の親方の段取り、
つまり何を大事に考えたか それがわかってくる。
おーい若い衆、授業料を払ってくれてもいいぜー(誰にだ)

それから床板をはがして
古民家改修 解体編・・・の続き_a0157159_00295531.jpg    









      
 


根太をはずす・・・                                
古民家改修 解体編・・・の続き_a0157159_00312446.jpg














さて・・・
古民家を改修(現地再生)していく場合、
どうしてもぶつかる大問題に向き合う時期です。

99%の古民家は不同沈下しているけど
これをどうやって水平にするか、または基礎をどう考えるか
ってことです。

ほんと、古民家はここが基礎。(シャレじゃなく)
かなり問題が深い難しいところ(だと思う)
あんまりまじめに考えるとハゲてしまうくらいだ。
いや
海岸屋は薄くないよ?
だからといってまじめに考えていないわけではなく。
というわけで次回は(たぶん)そこを。(どこを?)
ではまた。








by kaiganyafoo | 2020-01-29 00:54 | Comments(4)
Commented by 川越 at 2020-02-11 15:47 x
私は建築関係とはまるきり違いますが、こういうお話はとてもとても興味深いです。前回もそうですが、次回もとても楽しみにしています。

しかし若い衆の「・・・できませ〜ん」ってのは、なぜ動かないのか興味がわかないんだろうか?仕方ないことなんでしょうけど、頑張らないといけませんね。
Commented by kaiganyafoo at 2020-02-12 19:51
川越さま
建築関係ではない方に興味を持っていただけたならば嬉しいです。 もっとも建築関係と言っても広いので、古民家の分析に興味を持つ人は限られていると思いますが、狭い範囲で話を回しているよりも、たくさんの方々に知っていただくことのほうが望みです。
若い衆については課題だと思っています。
この現場は彼をふくめて9人の大工がかかわりましたが、20代は彼一人だけで、辛いことの方が多かったようです。
Commented by 川越 at 2020-02-18 08:03 x
返信ありがとうございます。下の記事のコメントも含めて、現代は木のこと、仕事のことを評価できる文化も無くなってしまったのかもしれませんが、それでも海岸屋さまのところには若い世代が苦労を承知で来るわけですから、伝承されてきたものが消えてしまうことはないかもしれませんし、そうあってほしいものです。

ところで傾いた家に住んでいると調子が悪くなるっては見たことがあります。その家は床は水平ですが、柱は傾いていました。

住人はまず平衡感覚がおかしくなり、気分が悪くなって、次第に精神的に安定しなくなっていったようです。そこから体調不良となりました。誰もがそうなるわけではないところが難しいところかもしれません。
Commented by kaiganyafoo at 2020-02-18 13:44
以前、リフォームに入らせてもらったお宅で、新築から2~3年かけて家が傾いてきて、そこの奥さんが体調不良になったのに出会ったことがあります。家の対角で9cm下がっていました。奥さんも、買い物に出たり庭仕事をしているとすっきりするんだけど、室内にいるとめまいがする。そんなことでした。
建てた工務店が、家をそっくり持ち上げて地盤改良から基礎から、全部やりなおしましたから水平に戻りましたけど、リフォームに入らなかったら気づかなかったかもしれません。  そして常々思っていることですが、人間の鈍いのと強いのは似てますから、症状がでないからといって影響がないとは限りません。
一方、外国では水平垂直が悪くなっている建物でもずっと使い続けている例も多くあって、これをどう考えたらいいのかよくわかりません。次回、そこも少し書いてみます。
ご批判をお願いします。
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