海岸屋ふー通信

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如庵を救った男

みなさん おつかれさまです。


このあいだ 山梨の塩山というところで
はじめて人前でハツリをやった海岸屋です。
案の定ボロボロで、狙い通りに引き立て役ができました。(いや マジで)

ハツリは息が切れるねぇ・・
如庵を救った男_a0157159_20345572.jpg
この方の息は切れてません。







さて、前回書いた 「古い図面をもとに再現された」 お茶室は 
元庵という名前がつけられています。
でも、どのくらい復元できているか というのは誰にもわからないでしょうね。

浜離宮に「松の茶屋」 という建物が復元されていて
これは写真も残っているくらい最近まであった建物なのに
わからないことも多くてずいぶん苦労されたと聞きました。
まして
江戸時代よりも古いんじゃねぇ・・

そう考えると、1618年に建てられた如庵が今の時代に残っていることというのは
建築をやっている者やお茶の世界の方々にとってどれだけ有難いことかわかりません。
けれど やっぱり坦々と残ってきたわけではないのです。


如庵がある正伝院は江戸時代を通じていいかんじで大事にされていたと思うんですが
明治になるとちょっと大変なことになります。
お寺さんですからね。

廃仏毀釈が徹底された地域では
仏像を壊して薪にして風呂を沸かしたとか
今は国宝になっている五重塔に火をつけて燃やして金物だけを取ろうとか
ずいぶんひどい話が伝わっています。

正伝院も京都の民間に払い下げられて、貸座敷などに使われるようになったそうですが
それもほどなくして不振となり、売りに出されたものを そっくり買い取った人がいて
その人の名は三井八郎右衛門、三井財閥の当主でした。

当時、三井の本宅のあった東京麻布へ正伝院 如庵ともに移築されますが、
大正時代が過ぎ昭和もしばらくした13年、戦局を考慮したためか、
これを大磯の別邸に再度移築します。
たしかに麻布の三井本宅は昭和20年の空襲で全焼していますから
これをいわば疎開 避難させておいたのは立派な見識だったと言えるかもしれません。

さて
それからもうひと波乱。
はい 戦後の財閥解体ですね。

大磯にあった三井の別邸は城山荘という名前がついていて
各地からたくさんの名建築が集められていたといいますから
海岸屋は三溪園を連想しましたね。
そこを土地ごと購入したのが名鉄の社長 土川元夫です。
昭和45年のことでした。

その後大磯での如庵の状態が調査されましたが、内容は以下の通り。

1 礎石の沈下及び欠損は些少である。
2 軸部は各所が弛緩し、柱はことごとく再度の移築の際に根継ぎされ、湿気のために   朽ち、軒桁なども雨漏  りにより腐朽欠損している。
3 軒廻りは、小舞、化粧軒裏など、約六割以上が雨漏りによって腐朽し、また、木垂木  、竹垂木ともに半数以  上が腐朽折損している。
4 中窓の竹格子の竹は、約八割が腐朽あるいは折損している。
5 畳は床下からの湿気で腐食が甚だしく、再使用は不可である。
6 内部壁の暦腰紙は、一部破損摩耗のため補修を要す。襖紙は摩耗し、一部剥離もあ  る。


鬼気迫る報告書じゃないですか。
日本一の財閥 三井が買って 益田鈍翁らが茶会を開いた名席が
戦後20余年でこれです。
建築関係者だったら目に浮かぶ惨状ですよね。

一部剥離もある と書かれている襖紙は 長谷川等伯の絵が描かれているんです。
やばいね。 チョーやばい。


・・・と
なんだかプロジェクトXのテーマソングが聞こえてきそうな展開だけど
これを現在の犬山に移すにあたって、一人の建築家が大きな役割を果たします。

その人の名は 堀口捨己。





海岸屋ふー通信始まって以来の長編連載になっちゃってますけど
写真も全然載せなくて面白くもないけど、
長い付き合いじゃないですか、かんべんしてくんなまし・・(誰?)

ではまた。

by kaiganyafoo | 2015-05-17 21:00 | 建物いろいろ | Comments(0)
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