海岸屋ふー通信


海浜住宅建築舎
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新月伐採についての至らぬ私見

みなさん こんばんは。


さっきネットで見てたら 
男風呂を盗撮していた男が逮捕された というニュースが出てました。
新月伐採についての至らぬ私見_a0157159_2161426.jpg
どことは言えないこの銭湯で
海岸屋も脱衣室だけではなく 浴室も撮影したことがあります。
若い男性が一人いたのになんにも言われなかったのは
当局がワタシを泳がせているんでしょうか・・

ワタシ、男性に興味 ないです。
でも 建築しか興味がないのにー! と主張してもダメかもしれません。
逮捕されたら笑って下さい。
ごめんなさい
もうしません。





さて一転 新月伐採の話です。
そうです、 新月伐採について海岸屋の考えが聞きたい とおっしゃるので
まことに僭越ながら私見を述べさせていただく というか・・
また自分の言いたいことだけ言う展開だとは思います。


まず 新月伐採 と言った場合 お月様が見えない時期 
まー30日のうち1日か2日のあいだしか伐採できない というのが本来でしょうね。
はっきり言って仕事になりません。

新月伐採を有名にしたのは とある外国の方ですが
K木材のO氏と言う方はそこまで行って見てきたそうです。
たくさんの木材が積んであって 「すごいねー これ、全部新月伐採なの?」 と聞いたら
「違う違う」 と言われたそうです。

その外国の方はむしろ正直で 何かうまく伝わってない部分があるのかもしれません。
確かに30分の1の稼働では仕事になりませんから。

K棟梁という方が 
寒中の新月に伐採して 葉枯らしまでした丸太を出す というので
先輩と参加して丸太を一本貰ってきたことがあります。
条件としては申し分のないものですからね。

持ち帰って地元の製材所に持ち込んだ際にこの話をしたら
「うちもその話聞いて試そうとしたんだけどさぁ・・ 
そこに丸太で積んで順番待ちしてるあいだに虫にくわれちゃってさぁ・・」 と言われました。
ま、 それでも実験だから と言って製材して
塀に立てかけて乾燥させておいたのですが たしかに虫は食いました。
そのいきさつは昔ブログに書いた記憶があります。



さて
否定的な話をみっつ並べました。
だから海岸屋は新月伐採を否定しているのか と言えばそうではありません。
体験したことを言っただけで 
でもこれだけでは判断するのには不十分だと思っているのです。

以前 竹の切り旬の研究で博士号を取得された方の話をうかがったところ
様々な条件で切った竹のデンプンの含有量を調べてそれを指標にすると仰ってました。
確かに竹の中のデンプンの量は 季節により 部位により変化するようでした。
そしてデンプンが少なければ虫も食いにくいだろうしカビも生えにくいのではないか という仮説をたてて研究を進めている ということでした。

今回の天竜でのお話しの中にも デンプンの話は出てきました。
では 切り旬のいい竹が虫に食われないとして
新月伐採の木が腐りにくいとして
その理由がデンプンの含有量だけで説明がつくのかと反問されればその回答は誰も持ってない。
まだまだすべては謎なのです。

以前 京都の銘竹屋さんのインタビューで読んだのは
「この仕事だけは絶対に虫がついたらいかんのやから念には念を入れてやらな・・」 
という仕事の竹でも虫がわくことはあるそうです。
そしてその逆も。

ますます訳がわかんないでしょ?
わかんないんです。


今回見学させてもらった天竜の森ですが
ここは30日のうち15日見当だけ 満月から新月までのあいだだけ
伐採をすることから「月齢伐採」と言っています。
全体としてとても立派な取り組みで、たとえ
「話と違って普通に腐る材木だった」としてもその価値は下がらない とも思います。
それだけの仕事だと私は感じました。

そして逆に
「腐らない木材を欲しがる」 ことを疑問視しているからでもある。

家を建てるときに個別にちゃんと見て行けばいいことなんです。
大工なり 工務店なり 材木屋なりが。
そして 腐らないような使い方をするべきなんです。
(実際 ちゃんと建てた家は腐る心配なんかほとんどないです。)
一軒ずつていねいに建てて行けば それは当たり前のこと。

ブランドやレッテルを見なければ木材の仕入れができないようであれば
材木屋さんとの付き合いに問題があるとか 自分の不明を恥じるとか
なんらかの問題があるとおもうべきであって、
たとえそれが新月伐採という名前でも同じです。
ブランドを信じる とかレッテルをあてにする というのは自分の判断を停止することに近いんです。
どこの料亭が、寿司屋が、八百屋がそんなことをするでしょうか。
みんな真剣勝負で仕入れをしてるはずです。

ただひとつ 機械的に大量生産をしたい者だけにはそれが必要かもしれません。
林業というボリュームのある産業に対しては 大量生産の住宅も必要なのかもしれません。
でも
それならばムク材である必要はない。
集成材なら均一だというし
木である必要もないのかもしれない。
ただ それは海岸屋の経験のない世界の話なのでここまでにしておきます。

案の定面白くない話になってしまったし
質問にも答えてないかもしれません。
不器用ですみません。(あ!健さんごめんなさい・・)

by kaiganyafoo | 2014-11-18 22:29 | 材料 | Comments(2)
Commented by ケンゾー at 2014-11-19 21:23 x
こんばんは

思いの外速かったですね
かなり痛い所を突かれました

要するに新月伐採というのは一つのブランドみたいなものだからそれを鵜呑みにするのではなく自分の目で確かめろと言うことですね

鉋も同じで名前に頼るのではなく切れ味で勝負しろと言われているみたいで恐れ入ります

でもやっぱりわかんないですね
誰かスカッと説明してくれないでしょうかね
どうもモヤモヤが消えません
Commented by kaiganyafoo at 2014-11-20 00:36
ケンゾーさん

新月伐採の可能性は引き続き見守っていきたいと思ってます。
ただ、 こと木材に関しては魔法のようなことは起きないと考えています。 100本の木は100人の人のように無限の個性に満ちています。それらとうまく付き合えるようになりたいです。
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