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みなさん おつかれさまです。
今年の梅雨は7月いっぱい続く などというとんでもない予報があるようですが これは みんなで力をあわせてなんとかしなくちゃいけませんね。 ええ なんとか です。 (夏が好きなんです) でもまあ 今日みたいないい天気だったら 梅雨だろうが夏だろうが・・ゲフンゲフン・・ いや やっぱり夏がいいです。 さて 今日の話はコメントを下さった くわはらさんへのお返事です。 「在来と伝統の違いはどこにあるのですか?」 というお尋ねですね。 むー (考えてます 今考えてます) 在来工法というのは かなり明解です。 コンクリートの基礎があって 柱と桁や梁で骨組みを作って 筋違いや金物で強度を出して・・・ というよく見る作り方です。 でも 在来 と言うからすごく古くからあるのか と言えば そうじゃない。 ざっくり言って戦後でしょうね。 たぶん 住宅難を解消するために どんどん建てた時期があって 早く 安く あまり大きくない木材で 台風や地震に耐える家 という そんなコンセプトではじまったように思います。 で 今は主流です。 それに対して 伝統工法の方は ちょっと難しい。 というのは 明確な定義がないからなんです。 で ここからが 海岸屋が差し出がましい事を言った内容なんですが・・ 和食 という文化の明解な定義はけっこう難しいと思います。 でも 日本人であれば誰しもが 和食に対するイメージを持っている。 人によって 多少の差異はあろうとも それが議論になることもないのは みんなが 和食という文化に対して基本的な教養をもっているからではないでしょうか。 それに対して 民家の学校 という建築好きの集まりのなかで 「伝統工法の定義」 といった質問が出るのは 逆に言えば共通理解が進んでいないことをあらわしているとも言えるでしょう。 と まあ こんなことを言いました。 伝統工法と言っても 標準仕様書があるわけではなくて 言ってみれば 日本の住宅の文化のある一部分です。 それぞれの人が たっぷり勉強して 各自の伝統工法を築けばいいと思います。 でも それじゃあ あんまり漠然としてるよ と言う声が聞こえますので 伝統工法海岸屋版 というものを発表します。 パチパチパチ。 (今 考えた) ①柱 桁 梁などで骨組みを作る。 できれば材料はでっかい方がいい。 丈夫になるし 長持ちするから。 ②筋違いは入れない。 骨組みが堅くなるから。 伝統工法の骨組みは柔らかいけど粘り強いのが理想。 ③土壁が塗ってあれば嬉しい。(嬉しいって・・) ④石端建てだとなお嬉しい。(なお・・?) ⑤茅葺きだったらいう事ない。 どうですか? みなさんのイメージしている 「民家」 にかなり近くないですか? 松茸の土瓶蒸しを春に食べたいと言っても そうはいかない とか おかあさんが作ってくれた弁当は嬉しい とか おばあちゃんが残してくれた梅干しに値段をつけろと言ってもなぁ・・ とか そういったものもみんな日本の食文化の一部ですが 民家 も 伝統工法 も 日本の住宅文化の一部なんです。 要はみんなが幸せになるためにある。 定義づけをいそがないで 気に入ったもの心地いいものを学ぶ くらいがいいんじゃないでしょうか。 海岸屋は不幸にして(?)業界の人ですから あんまりのんきな事も言ってられませんが 一般の方々はそんな心がけで住文化の教養を高めていただきたい。 それこそが 閉塞して 生命力を失っている現代の住宅とその事情を突破する原動力になるのです。 くわはらさん こんなところでいかがでしょうか。 ちょっと語りすぎたので あごに湿布をして寝るようです。 それではまた。
by kaiganyafoo
| 2014-06-19 20:15
| 民家
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Comments(4)
Commented
by
くわはら
at 2014-06-20 23:35
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ありがとうございます。
私の持っている在来のイメージ、大幅にずれていました。 伝統のしっかりした定義がないことも、驚きです。 確かに『伝統工法海岸屋版』は”民家”に近づきますね。いや古民家かな。新しく建てても古民家とはこれいかに。
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Commented
by
kaiganyafoo at 2014-06-21 22:59
Commented
by
ケンゾー
at 2014-07-07 17:41
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私も伝統工法と在来工法をよく解っていませんでした
というより筋交いは必要なモノだと思っていました 金物でがちがちに固めた固めた建物は金物の強度以上の負荷がかかるとそれまでで、伝統工法が粘り腰だと言うことですね
Commented
by
kaiganyafoo at 2014-07-08 16:57
ケンゾーさん
一番気になるのは 構造というよりも基本となる思想だと思います。 伝統工法に必要な部材は 石 木 土など。 在来工法に必要なものは 建材と金物です。 家を建てる という行為を経済社会が利用(または悪用)して 豊かさをすり替え 盗んでいる という疑いがぬぐえません。
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