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やー
今日はいい天気でしたね。 シャツ一枚でもいいくらいの陽気。 建物見物にはもってこいの日でした。 まず見学したのが 林芙美子の自邸。 しってますか 林芙美子。 海岸屋は一冊も読んだことが無い。 でも 森光子の「放浪記」という舞台は御存知ではないかな? あの原作が 林芙美子。 「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」 という名文句を書いた人でもあります。 その自邸は新宿にあって 今は区で管理しています。 今日はボランティアガイドの吉川さんの説明で じっくりとまわりました。 戦前の建物なので 駐車場なんて無粋なものはありません。 作家の先生の家らしい 奥ゆかしさと教養が感じられますね。 門の次がなんで台所かというと 芙美子自身がそこを大事だと思っていたから。 さすが小説家だけあって 自邸を建てるにあたって200冊ほどの参考書を読んで、 その後 大工を連れて京都まで民家も見学に行ったりしたのですが その結果 客間よりも 茶の間、風呂、台所、トイレに十二分に金をかける という 方針をたてたんだそうです。 戦前ですよ? 進歩的な女性ってのは えらいもんですねぇ。 十二分に金をかける なーんてセリフ 聞いてみたいですねぇ。 工務店として。 そして その自慢の台所がこれだ というわけです。 研ぎ出しのダブルシンクに 大型の収納。 なんで蛇口が二つついているのかは 聞き漏らしました。 そこから考えると 今のキッチンは王侯貴族のキッチンですな。 え? 王侯貴族はキッチンに立たない? ごもっともです。 建物内に入れないので 窓の外から撮っているのでこんな写真ですけど 腰壁と床はタイル 足が冷たくないように 一部木製のすのこ。 踏みまたぎが容易なように 埋め込みのヒノキ風呂。 見学者の中に 奈良ホテルの風呂に似ている と言った方がいるとか。 まあ じつによく考えていますね。 時代を先取りしているのにもほどがある ってぇ風呂ですね。 かと思うと 昔の木造建築のもっとも美しい要素も たっぷりと取り入れた こんな場所も作り出しています。 最後に名ガイドをしてくれた吉川さんに 大工しか気づかない隠れた見所をひとつ わかるかなぁ? 四方蟻(しほうあり)という継ぎ手です。 普通に考えると 組めるはずのない継ぎ手ですよ。 しかもきっちりと石に ひかり付けをしています。 これはおそらく 施主と大工の幸福な関係を示しています。 そうでなければ こんなことを大工に頼む人はいない思うし 好きでもない施主のために こんなことをする大工もいないと思います。 何か 林芙美子の人柄が偲ばれる そんなすまいではありました。 にほんブログ村 にほんブログ村
by kaiganyafoo
| 2011-11-13 21:03
| 建物いろいろ
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