海岸屋ふー通信


海浜住宅建築舎
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胡粉と膠

はい
最近 更新を怠りがちな海岸屋です。
すんません 毎日爆睡です。

さて
胡粉と膠ってなんでしょうね。
読めないし。

胡粉は ごふん と読んで、
どうも貝殻を焼いて作るようです。 牡蠣とか。
胡粉と膠_a0157159_234541.jpg
絹越 と書いてありますが
絹漉しと言う意味でしょうね。
たぶん それくらいなめらかできめ細かい ということで
絹で漉してはいない気がします。

中身は 真っ白な粉。
一種の塗料と言っていいかと思います。

イメージが伝わりやすいのは 日本人形の顔 とかですか。
あれは 胡粉が塗ってあるらしいです。
建築では 垂木の先端を白く塗ってあるもの、 あれが昔は胡粉塗りでした。
今はペンキ塗りですけど。

そして膠。 にかわ と読みます。
動物の皮を煮て作るから にかわなんじゃないの? と先輩が言ってましたけど
雰囲気は そんなかんじですね。
胡粉と膠_a0157159_231743100.jpg

これは三千本 という名前がついています。
買ったのは百本くらいですけどね。

普通の用途は接着剤ですが 今回は胡粉と混ぜ合わせて使います。


さて
これを使って何をしようとしているのか というと
板の胡粉塗り仕上げ をやってみようということですね。
胡粉と膠_a0157159_2324777.jpg
こんなふうに。
これは 文化財の修理などをする技官の方で
「秘伝です」 とか言いながら教えてくれました。

秘伝
胡粉と膠_a0157159_23273683.jpg
こうやって写真に写すとなんでもないんですが 
試行錯誤の結果の技術なのかもしれません。

胡粉とニカワの成分を 均一に徹底的に混ぜ合わせる という事だと思います。
実際にやってみると すごく混ざりにくいものなんです。

これは 格天井の中の板を胡粉で仕上げたものですが
経年の変化でこうなってます。
胡粉と膠_a0157159_23325075.jpg
現代の感覚では どう感じるのでしょうか。
あまり目にすることのない仕上がり方ではないでしょうか。

さて
これは 地元の八幡様の改修工事をしている先輩が
やってみたい というので準備したもの。
もうしばらくすると 実際の様子がお伝えできると思います。
是非お楽しみに。

え?
楽しみでもないし 何の役にも立たないって?
まあまあ そう言わずに。
古いことを知っておくのも いつかは役に立つかもよ。
海岸屋も胡粉塗りを36年ぶりにやるんだから っていうと年寄りぶりがばれるな。


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by kaiganyafoo | 2011-09-03 23:44 | 材料 | Comments(12)
Commented by kuni at 2011-09-04 10:42 x
これはとても楽しみですよ!僕はパステルカラーの拭き取り仕上げってよくやってるんですけど、昔も似たような仕上げがあったんですね?この胡粉塗りは刷毛で塗り放しなんですか?それとも拭き取ってるんでしょうか?
前記事の杉の削りは不思議ですね。僕は北海道なので、杉はほとんど触らないので、残念ながらよくわからないのですけど、刃物を傷める成分を吸い上げてしまっている個体っていう可能性が高いのではないでしょうか?
 ヤナギ科の木でドロノキって知ってますか?その木はまさに1メートルしか削れないってタイプの木です。
 木によって、シリカとか鉄分とかを吸い上げてしまうものがあるそうです。
Commented by kaiganyafoo at 2011-09-04 22:36
パステルカラーの拭き取り仕上げですかー
たしかに そう言われればそう見えますね。

私は昔 米松の梁をそういった雰囲気で仕上げてくれ って言われて
塗装屋さんと苦労して塗ったあげく 「シャケの切り身みたいな色」 と
ばっさり却下になったことを思い出しました。

この胡粉塗りは 内緒なんですが奈良の談山神社です。
拭き取りはしてなくて 仕上がりを見て二度くらい塗っていました。
濃く塗れば 漆喰壁さながらになります。
昔の芝居の大道具なんかがそうですね。

さて 杉ですが
当地には山武杉という品種の杉があって
これには泣かされることがあります。

この杉が切れなくなった鉋でも
ヒノキ 松系ならそのまま使えるところをみると
刃先を傷める要素と
仕上がりにくい という要素の両方を持っている と思われます。

が、どうも 硬い刃の鉋ではうまくいきません。
炭素鋼の、刃がつきやすい鉋を使って
しょっちゅう研ぎながら仕上げていく というやり方しか知らないんです。

ですから 手間がかかる。
嫌いではないんですけどねー
Commented by kaiganyafoo at 2011-09-04 22:42

ドロノキという木は知らないんですが
マナイタを作るから と言われて
ヤナギの木をたくさん削ったことがあります。

台所のスポンジのような 変な鉋屑が出ました。
これもすぐ切れが止まる木でしたね。
似ているのかな?

杉の中に たまにやっかいなモノがある と言うのと違って
ヤナギは どの木も全部同じように仕上げ難い と思いました。

杉は個体差
ヤナギは品種の特徴 なんですかねぇ?
Commented by kuni at 2011-09-05 20:49 x
説明いただいてやっとその杉の難しいという意味がわかりました。
これは僕もこのところ追及していることと同じだと思います。そこは研ぎにおける最後の砦のようなものですね。
 コメント欄に書ききれるような量じゃないのですけど、そして僕自身、完全解明しきれてないのですけどね。これを制するのはとにかく研ぐ面積を徹底的に極小にして、その結果きめ細かく研ぐことに尽きるようです。その「極小」という意味は常識を超えたところにあるんです。
Commented by kuni at 2011-09-05 20:51 x
 ふーさんがどんな研ぎをしてらっしゃるかはわかりませんけど、相当研げる方と思います。いままで通りの研ぎ方で限界まで研いで、最後の瞬間ですね、、、。切れ刃をわずかに立てて、砥石の長さの半分から全長をひとストローク。裏はかえ先にポリエチレンのテープ(梱包用の透明なものの巾を三分の一程度に切ったもの)を貼る。そうするとその分裏も鈍角に研げますでしょう?その時の裏の当たる面積は1ミリ程度で、なおかつはホントノ刃先にかかる荷重が主になりますから先端があっという間に研げます。
裏の研ぎは5ミリ程度のストロークで5往復程度でしょうか?
次にまた切れ刃先端を1ミリ押す程度。これで返りはほぼ取れます。仮に残っていても削る事で脱落します。
 これらの刃先研ぎが黒く、細かくなった砥クソの上でうまくけば、望まれる次元は到達するはずなのですが。
 どうでしょう?参考になる内容が書けたでしょうか?
Commented by kaiganyafoo at 2011-09-05 22:30
kuniさんの長年の研ぎの技を
こんなにあっさりと教えていただいて恐縮するばかりです。

研ぐ面積を少なくすることのメリットというのは
みんなが少しづつ気づき始めているのかもしれません。

京都のはんなりさんがブログで公開なさっているような
刃先だけを研ぐやり方も その一環かもしれませんね。

教えていただいた方法は
近いうちに試してみて またここに書こうと思います。

昔であれば こういった事は秘伝に属することで
けっして公開されなかったと思いますが
今は時代が変わったのか みなsんとてもオープンにされていますね
私は それはとてもいいことだと思っています。

ありがとうございます。
Commented by kuni at 2011-09-06 09:06 x
ちょっと書き忘れがありました。おっしゃるようにこの次元は純炭素鋼の方が成功率は高いです。青紙で複炭化物が大きいケースは、刃先の波がきれいにつかない、鋭くなりずらいといことなのだろうと思います。 
 先に書いたのは炭素鋼で天然砥の遊離砥粒での研ぎに限定したお話です。硬い天然の上で遊離砥粒の砥汁はうんと柔らかい砥石で出した方がいいようです。(要は砕けやすいトジルがいい)。
 
Commented by kuni at 2011-09-06 09:14 x
硬い砥石から出たトジルは砕けにくく摩擦抵抗が大きく、固定砥粒同様に刃先を刃元側に引っ張る結果、刃先が鈍角化するように感じます。柔らかいトジルは鈍角化せず、むしろ刃先に当たった瞬間にどんどん砕けて下にもぐりこんで行く結果、刃先の裏方向に微細な膨らみをつくり、裏を研ぐ際の理想的な前提を作っているかのように感じています。
Commented by kuni at 2011-09-06 18:49 x
それから(しつこいですね(^_^;))具体的な研ぎの「砥石の半分から全部をひとストローク」から「刃先を1ミリ程度、押し」までを1セットとすると。これで十分な刃が付いてないと感じたら、このセットを2~3回繰り返します。ただ回数を重ねるごとにストロークの距離を少なくして出ているであろう返りを極力微少にする感覚が大事なように思います。
 100倍ほどの顕微鏡はお持ちなのですか?
Commented by kaiganyafoo at 2011-09-06 23:51
またまた 懇切丁寧なご指導 ありがとうございます。

前回 刃先だけを研ぐやりかたとの共通点云々を書きましたが
なるほど こうやって仔細にうかがうと 大きく違っていることに気がつきます。

なんというか 研ぎの微細な感覚をなまけさせない というか。

私の感覚では ごく小さい部分の感覚を 小さいままで感じるのではなくて 大きいものとして感じられるようにする そんなかんじです。
それは 集中して数日研がないと 回復してこない感覚ですが。

とにかく 時間を作って 稽古をしてみます。

ちなみに使っているルーペは
ペンタックスの単眼鏡で 7×20ルーペ付き というやつです。
100倍ほどの性能があるようには思えません。
kuniさんは どんなものをお使いなんでしょうか・・・

それからkuniさんのブログにアクセスできないんですが
なにか不都合でもあったのでしょうか。
引越しをなさったとか・・・。
Commented by 直井 茂 at 2019-05-13 16:23 x
hime-an-maron@ksh.biglobe.ne.jp
メールアドレスです。
写真にあった胡粉がほしいのですが、入手方法がわかりません、教えてもらえると助かります。
当方、アクセサリーの仕事をしてまして、寄せものに使います。宜しくお願いします。
Commented by 海岸屋です。 at 2019-05-17 05:10 x
直井さん はじめまして。
確かこの胡粉は地元の塗料関係の店で取り寄せた記憶があります。やってみてはいかがでしょうか。
もし直井さんの地元の塗料店で取り寄せができなければ、こちらの店の連絡先をお伝えすることもできます。 先輩はこの時とてもたくさん買ったので、もしかしたらまだ在庫を持っているかもしれませんし。
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