海岸屋ふー通信


海浜住宅建築舎
by kaiganyafoo
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小さな森の家

みなさん お疲れ様です。
海岸屋の日曜日は 片付けと明日の準備です。

さて このあいだ吉村順三のことをちらっと書きました。
軽井沢の風景を載せたときにね。

名作として名高い山荘が軽井沢にあるのです。
小さな森の家_a0157159_2014696.jpg
建築好きな人なら みんな知ってる。
そうでない人はどうかな?

吉村順三自身がこの山荘について語っている本があって
その本の題名が「小さな森の家 軽井沢山荘物語」といいます。

海岸屋も この山荘は一度は見てみたい建物のひとつとして
長いあいだ心にありました。
だから 当日は恋する乙女のごとく もうドキドキもんでした。

え?キモチ悪い?
まあ そうだけどね。

えー
さて みなさん
普通に考えると この建物はかなり変わったカタチをしていますね。
一階部分がコンクリートで 二階部分が大きくはね出している。

なんでか?

第一には 軽井沢特有の湿気への対策でしょう。

この土地の湿気は相当にすごくて
普通に建てられた木造建築物の寿命は 決して長くありません。
ですから 絶えざるメンテナンスが必要なのですが
別荘という性格上 なおざりになりがちなのか、
不具合の生じている建物も多くみかけられます。

当日、海岸屋は 恋する乙女のごとくでありましたので (くどい?)
かの山荘は光り輝いて見えてしまっていました。

で、あらためて建築屋として冷静に見たところ
築年数に対して とても状態のいい建物でもあるのです。
使われている材料は ごく質素なものばかりですから
この状態の良さは このプランに理由があるのでしょう。

そしてこの山荘がこんなカタチをしている理由 その2
小さな森の家_a0157159_20422518.jpg

このトタンでできた雨戸のある部屋が
この山荘の主題となる部屋でしょうが
そこからの眺めが きっとすごい。

雨戸を全部戸袋にしまって
外を眺めたときにはきっと 
空中に浮いているような
ツリーハウスからの風景のような
はたまた鳥の巣からのような
そんな見え方がするのではないでしょうか。

なぜって まず第一に自分の足元が見えない。
これだけはねだしているからね。
小さな森の家_a0157159_20513030.jpg
そしてそこからさらに木製のスノコのようなものが出ているけど
これは目隠し。

見えないほうがいい足元の景色をカットして
手すりによって 視線を誘導する という高度な技のある目隠し。
だって 人が乗るような構造には見えないしな。

小さな森の家_a0157159_20585845.jpg
この窓から外を見る自分を想像してみない?
樹々の幹と枝と葉しか見えないんです。
うーん うっとり。 (恋する乙女復活)

まあ逆に言えば
そのためだけに作られているから
他の機能は思い切り削りこまれている と思います。

玄関は狭いだろうし
リビングまでの廊下 階段は
けっこう窮屈なかんじもあるかもしれない。
でも
あれもこれも と欲張ったプランより
いさぎよく単機能に徹した姿に
みんなはうたれるように思いますね。

その人の本性は 自邸を見ればわかる 
というのが海岸屋の自説です。

それからすると吉村順三と言う人は
いろんな事をよくわきまえていて かっこいい人
というイメージです。

いやー
よかったよかった。
100枚くらいも撮ったのに
ろくな写真がなかった というのも
舞い上がりぶりを示して ほほえましいな。
恋する乙女だしな。
くどいか。 すんません。


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by kaiganyafoo | 2011-07-03 21:21 | 建物いろいろ | Comments(2)
Commented by haichigi at 2011-07-05 21:03
吉村順三がお好きなのですね。友人が山中湖に吉村順三の建てた別荘を持っています。富士山がと湖が見える大きな1枚ガラスの窓がありました。この建物にも、少し似ているようです。
Commented by kaiganyafoo at 2011-07-05 22:31
吉村順三のことを くわしく知っているわけではないのです。
ただ この山荘はとても好きで 
この山荘を通じて 吉村順三を想像している といったところでしょうか。

たしかに見に行くことができてとても嬉しかったのですが
bokuさんのように 友人の別荘に呼ばれて
それが 吉村の作だった というような出会い方が
一番自然で 理想的なんだ と思います。

うらやましいですね。
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