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八百剛さんの質問に答えてシリーズ (すでにシリーズ化決定?)
まず 先日の蔵の写真は 岐阜県 高山市のものだったけど 同じく 飛騨市の蔵で 宮川地区 (田舎だ) 次に飛騨市でも都会の古川地区の蔵 すこし都会っぽいね でも 基本は同じ つぎに秋山郷の蔵 雪の深いところの特徴がでている。 三つ目の写真は 茅葺の置屋根だったんだね 今はトタンで囲ってるけど。 次は福島県 下郷町 もうひとつ これは会津だと思う 置屋根の特徴が 良くでているよね。 これらは みんな雪の深いところの蔵です。 これは 偶然か そうでないか・・。 ちなみに 千葉には 置屋根の蔵は あんまり見かけない。 そして もうひとつ共通しているのは みんな田舎だ っていうこと。 言い方をかえれば 蔵の周囲が 広く空いている。 蔵のなかでも これら土蔵の目的は 防火にあることは明らかだけど 周囲が広く空いている場所では 延焼のおそれは 低いんじゃないかな? そして 目的が 防火だとしれば 茅葺の置屋根は 矛盾してはいないかな? もういっちょ 山梨の蔵 まさに 置屋根 というかんじの蔵だよねぇ・・。 構造的には 見てわかるように 屋根の上まで 全部土で塗りまわしています。 置屋根自体のことを別にしてみれば 土蔵自体の防火性能は 壁も屋根も同じく土を塗った このタイプの蔵のほうが 上ではないかと思います。 なにしろ土蔵の壁は厚みがあるからね。 普通に屋根を葺いている場合は 瓦の下は 野地板という 木の板で 瓦自体は とても通気性のいいものだから 逆に 温度があがってきたら 防火性能の面では 不利になってくるかもしれない。 もし 昔風に 土で瓦を葺いている場合でも 土の厚み という面では 置屋根よりも劣ると思う。 では なぜに防火性能で勝る造りをしておいて わざわざ 可燃物の屋根を乗せるのか。 先に答えを言えば このタイプの蔵が 本式の土蔵なんだろう と思う。 理由は三つ。 防火性能が高い メンテナンスがしやすい 壁も屋根も通気性が変わらない。 通気性の問題は蔵といえども重要で 新築後 数年は湿気が抜けないから 物をしまわずに乾燥させておくという話も聞く。 屋根面から湿気が抜けるのは 大事だろう。 そして 茅葺屋根の維持でわかるように 屋根は 常に更新していく という前提で考えれば 構造的に分離している 置屋根の修理は それほど難しくないと思う。 今回 飛騨で聞いた話では 蔵の壁の下見板は 完全に分離していて クサビを抜けば すぐにはずれる というのが大事で いったん 火災の際は それをはずしてしまう とのことだった。 うーん 知らなんだ。 さらに 会津で聞いたのは もっとすごくて 火災が起きたら 置屋根は 落としてしまうんだそうな。 えええ?? 本当に落とせるんかいな? 海岸屋は 建築屋だから 部材の重さというのを良く知っていて あの屋根が どれだけの重みがあるかもよくわかる。 なんか うまい落とし方でもあるのかな? 下手に落とすと 土蔵本体の屋根まで壊しちゃうけどな。 ただ そのときの説明では 屋根を落とす場所がある場合は 置屋根の蔵を作って その場所がないときは 普通の屋根に作る ということだった。 うーん たしかに 川越でも佐倉でも喜多方でも 家が建て込んでいる場所では 置屋根の蔵はみかけない。 すこし説得力があるな。 さて 海岸屋は 施工の都合から 二つのタイプの蔵の違いを説明したい と思う。 長くなってきたから また今度。 って 次回に振って それっきりになっていることが なんどもあるけどな。 でも 前半のこの説明だけでも いろんなことがわかったでしょ? 勉強になるなぁ このブログは。 え? いばりすぎ? はい すんません。
by kaiganyafoo
| 2010-09-08 02:55
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Comments(2)
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by
エコヴィレッヂ八百剛
at 2010-09-08 09:46
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いやー、こんなに丁寧に答えていただいて恐縮です。
なる程ね、蔵のが蔵であるには置き屋根のほうが 機能的だね、本式だよね。 すごく納得しました。 千葉では見慣れない様式ゆえ不自然に感じてたのですが、 田舎物がブロードウエイのミュージカルを見る違和感なのね。、
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Commented
by
kaiganyafoo at 2010-09-08 20:12
去年 蔵の改修をしている現場を通りかかって
そこの親方と話をさせてもらったときも 「置屋根が本式だよね」と言ってました。 ただ、 レンガ蔵 石蔵は 別の都合がありますので 土蔵限定での評価 になると思います。
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