海岸屋ふー通信


海浜住宅建築舎
by kaiganyafoo
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
公式サイト
最新の記事
最新のコメント
by 鉋 at 21:07
玉木彦助
by 菜月アイル at 21:06
by 鉋 at 21:10
岩澤健吉
by 荒堀謙次 at 21:10
by 鉋 at 13:03
爲井椋允
by 北脇里規 at 13:02
by 鉋 at 18:11
大武理菜 平塚由佳
by 大武理菜 長瀞渓谷 at 18:10
by 鉋 at 17:28
岩立良作
by 住谷春也 at 17:28
フォロー中のブログ
外部リンク
カテゴリ
以前の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

雨の日の仕事 または奈良井宿

雨だねぇ・・
よく降ってます。
2~3日見積もりをやるからいいけど・・。

梅雨だし
田んぼの都合もあるしな。

さぁ 漆の話も大詰め 奈良井宿です。
ここもいわゆる重伝建
重要伝統的建造物群保存地区です。 長いなぁ!

着いたときはこんなかんじ
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_14231788.jpg

シーズンオフなのか?
静かな町並み。
夜はこうなる
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_14241789.jpg

どう? こんな景色。
海岸屋は 嫌いじゃない。

じゃぁ平沢の町と比べてどうか。
これは けっこう難しい問題。

その難しい問題を あえてばさっと切ると、
平沢は実用品の町できれいだから100点
電柱をどけて 車の問題を解決しようとする奈良井宿の姿勢は100点!

この二つが風景を悪くしていることは
誰しもが感じているだろうけど、
なかなか手をつけられずにいるからな。

一緒に行った人の話なんかを聞くと
妻籠や馬籠は 観光化が進みすぎて もうダメだな と言われるらしい。
ダメかダメじゃないか 行ったことがないから判らないけど
心情的には ダメと言ってしまいたくない。

だって そんなことを言う人の町って
きっと何もしてなくて 美しくなんかないんだと思うから。
何もしてない人が 何かをしてる人達を軽い気持ちで批判するのは よくないと思う。
「あそこまで行くと 素朴さがなくてねー」 とか聞いたけど
本来 志を同じくする者同士じゃないんだろうか?

ただ、この話をしてて いつも気になる点をひとつ

観光化のエサがなければ 町並みの整備はできないのか?
表の通りを整備して 裏の通りは楽屋裏のようになるのは そのせいか?

あ、二つになっちゃった。

鹿児島の知覧に行ったときに痛感したんだけれど
あそこは抜け殻でした。
確かに美しいけど 誰も住んでないし 使ってない。

美術館に展示されてるお茶道具のようです。
意味はなくはない。
でも 悲しいな。
使ってなんぼだろ

町並みだって 古民家だって 実用品としての命が絶えたら ただの見世物になって 
そこにあるのは抜け殻(死骸か?言いすぎか?)じゃないのか?

朝焼けの風景
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_1581333.jpg

きれいだったな。
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_15122627.jpg

こんな なんてことない蔵の風景が神々しいのも
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_15131387.jpg

こんな もっとなんてことはないところだってすがすがしい雰囲気なのも
自分の町を美しくしていこう という気持ちから来るんじゃないのか?
それこそが一番大事なんじゃないかな?
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_15152194.jpg

朝から ばぁちゃんが 掃除してたぞ。
こんな人が立派な人だよな?
頭が下がるよ。

だから
こんなのはやめて欲しいっす
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_15195942.jpg

海岸屋が見たかぎりじゃ 奈良井宿で一番いい彫刻だよ?
電線の穴は別のところに明けようよ。
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_15213763.jpg

見てわかるように 
新しくした家は背が高い
格好は悪くなるけどな。
でも 住みやすくしたい気持ちが大事だから
これはこれで 試行錯誤したらいいんだ。
使うことが大事。

おまけの写真はケヤキ
雨の日の仕事 または奈良井宿_a0157159_1549029.jpg

中仙道の古道沿いに生えてる。
樹皮がバリバリ剥がれてるけど これは木が太ってるから。(ホントか?)
こんな大きな木が まだまだ生長するような
そんな土地が悪い土地のはずがないよな。

でも なんだかんだ勉強になりました。
巣山定一さんのお椀も買わないとな。

by kaiganyafoo | 2010-06-23 16:05 | 民家 | Comments(2)
Commented by mobiliantichi at 2010-06-23 21:41
抜け殻を見るのは辛いけれど、跡形も無く壊されてしまうのはもっと辛いですよね。使い続けたものの美しさ、わかっているつもりでも、現代の生活ではなかなか実行が難しい。お掃除しているおばあさん、本当に頭がさがりますね。
Commented by kaiganyafoo at 2010-06-24 06:35
抜け殻って簡単に書いたけど、「役目を終えた」こと一つとっても
どこに線を引くかなんて なかなか判りません。
廃屋になっているような建物から受け取るものだって大事です。

そう 跡形もなく壊してしまうことは
とてもこわい事だし 傲慢でもある と感じています。

実は奈良井宿のなかに ひとつだけ洋館があって
もう使われてはいないのですが
それは決して壊してしまうべき対象なんかではなくて
建てた人 使っていた人の想いが今でも伝わってくるようでした。

建築屋としての私達の願いもその辺にあります。

<< 庭の花 シンパカフェ 漆の町 木曽平沢 >>