海岸屋ふー通信

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夏至 そして漆の話第二弾

夏至です。
ご存知 一年で一番 日の長い日
二十四節気でもメジャーなほうです。

でもな
知ってた?
夜が明けるのは もう遅くなってきています。

千葉の場合
4時23分の夜明けは6月17日まで。
今は4時24分の夜明けです。

もう 1分だけ遅くなってきてるんですね。
もっとも それ以上に夕方が伸びてるから
トータルでは 日が長いんでしょうけど。

さてそれはさておき
漆の話 第二弾。

木曽平沢の漆の店
次に行ったのは 「巣山漆器店」

ここはすごいぞ。
夏至 そして漆の話第二弾_a0157159_22483681.jpg

この方が店主の巣山定一さん。
年季のはいった職人であり 
漆の研究家であり
実践者でもある。

まずこれ
夏至 そして漆の話第二弾_a0157159_22522117.jpg

なにをしてるか というと
生漆を「くろめている」ところ。

「生漆」 というのは漆の木からとれた樹液のままの状態のもの。
乳白色をしていて 若干のゴミなんかも入っている。

「くろめる」というのは これを攪拌しつつ 水分を蒸発させる工程。
乳白色だった生漆は きれいなべっ甲色になり
水分の90%以上は蒸発する。

と 書いたが これは例外。
巣山さんは塗師だと思うけど これは塗師の仕事ではない。
そして手作業でやってるから「てくろめ=手黒目」だけど
こんな効率の悪いことは きっともう誰もやってない。
では なぜこんなことをするのか。

むずかしくなるよー

さっきの写真を見ると 混ぜる棒の先が斜めになってる。
こんなふう
夏至 そして漆の話第二弾_a0157159_4573750.jpg

漆を掻き上げるときはこうなってる
夏至 そして漆の話第二弾_a0157159_4584556.jpg

まぁ、この棒の巾が箱の巾の約三分の一で
まんべんなく掻き上げられるようになってる とかいろいろあるんだろうけど
この 斜めになって降りてくるところが大事。

必要なのは 攪拌しつつ水分をとばすことであって
必要以上な 「練る」ような動作を避けている ということ。
「練る」のは「くろめ」じゃなくて「なやし」になってくる。

こんな手加減の技術は秘伝といっていい技術だと思う。
機械のくろめでは とても無理。

「なやし」をした漆は 塗ったときにツヤが出る。
「くろめ」ただけの漆はツヤ消しに仕上がる。
そして 
あー 写真がないなぁー
つや消しに仕上がった製品 たとえばお椀は
数年使うと きれいなツヤが出てくる。
うーん これが とてもきれいだったんだけどなぁー。

海岸屋はこの くろめ と なやし の違いがずっとわからなかったんだけど
今回 はじめて腑に落ちた。
見るのは強いな。

さて 「てくろめ」の理由はもっとある。

その二 は 乾き具合の違う漆が作れること
これを混ぜ合わせることによって 一年を通して安定した乾き具合が出来るようになる。

その三は 粘度の低い漆が作れるので
塗る工程で いろんな可能性が出てくる。

その四は 紫外線に弱いという漆の最大の弱点が克服できるかもしれない点。
巣山さんは 毒をもって毒を制する のかもしれない とおっしゃってたけど
海岸屋の感想は違う。 (おお 素人のくせに態度でかいぞ)

漆の中にはもともと紫外線に弱い成分が入っていて
塗り上げて製品になってからでもそれは変わらない。
紫外線に当たるとその成分が壊れて 漆全体が劣化する。
ちょうど ラグビーのスクラムで一人でも弱い奴がいると
全体が崩れちゃうようなかんじだね。 

それをこうやって日光にあてながらくろめて
その成分をあらかじめ壊してしまうことによって
安定した性質の漆を作り出す。

どうかな?
海岸屋説。

面白くて深いだろ? (強制)
続くぞ (強制)

by kaiganyafoo | 2010-06-22 05:12 | Comments(0)
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