公式サイト
最新の記事
最新のコメント
フォロー中のブログ
外部リンク
カテゴリ
以前の記事
2024年 08月 2024年 07月 2024年 05月 2020年 12月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 01月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 11月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 01月 2016年 11月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
なんか道具屋っていうと
与太郎の出てくる落語みたいだけど これは本当の道具屋のはなし 先日 八日市場の町を見て歩いたとき 水曜日は定休日らしく みんな休みだったので 金曜日の仕事の手待ちのあいだに また行ってみました。 加瀬刃物店。 だいたい刃物を名乗っていること自体がわりと珍しいです。 でも 行ってみたら本当に刃物の店でした。 これは店で貰ったパンフレットです。 刃物の良否 刃物の研ぎ方 鋼とは などと書かれていて 刃物一筋に生きる とも書いてあります。 気合 入ってんなぁ。 鑿は長弘 鋸は保蔵 鉋は問屋銘のところが昔風。 お勧めの大工道具がちゃんとあります。 長弘は ながひろ と読みます。 永弘(ながひろ) という新潟の名門鍛冶がいますので 混同しないようにそう言っているのかもしれませんが 鑿はおさひろではなく ながひろ。 海岸屋は小松川の長弘さんの自宅まで行って 本人に聞いたんだから間違いない。 それで もう高齢ですから あんまり作らないと思うけど ここの店には 古くからの道具があって まだ買える。 鋸は保蔵。 保蔵は千葉の鋸鍛冶で 亀井町だと思います。 帰ってきてから 先輩の大工とか 付き合ってる道具屋さんとかに聞いたら みんな知ってました。 「いい鋸だったよ 目立てがうまくてさぁ 切り口がぴかぴかなんだよ」 とは先輩の談。 ざくざく切れるような薪挽き鋸の目立てとは違う ということだね。 でもそこは もう鋸は作ってない。 ここのような店に残ってるものを探すしかないんだな。 店の奥さんも 「うちは雄蔵よりも保蔵のほうがいいと思って ずっと昔からそうしてます」 とおっしゃってました。 房州の雄蔵は舟鋸で有名で デパートやなんかの 物産展とかにたまにでています。 現役の鋸鍛冶として 貴重な人です。 奥さんの話と書きましたが この店は ご主人はもう亡くなっていて 店を守っているのは 奥さんと娘さん。 娘さんで三代目になるらしいけど この人も道具好きでした。 いくつか道具を買ってきたけど こんなかんじ。 油を引いて 丁寧な梱包だな。 鑿は長弘です。 六分の鉋は伊助とありますが これはおそらく問屋銘。 新潟の佐藤さんの鉋によく似ています。 八分は秀奴とありますが これも問屋銘でしょう。 この特徴ある花押はどこかで見た気がするんですが 思い出せない。 わかりますかね? ものすごく 鋼が薄い。 これだけぬるく研いであるのに すごく薄く見えるっていうのは いままで新品の鉋で見たなかでは 一番薄いくらい。 さて 店のなかで長々と話をしてきましたが 日本の大工道具は たぶんもうダメだろう ということのようです。 職人があまりにも道具を使わないから 鍛冶屋が生き残れない。 ほんの少しの若手の鍛冶屋も 厳しい競争で鍛えられることがないから 高級品というか 嗜好品の道具になってしまって 昔のような 実用品であって すごい というような道具は作れない。 日本人が今の価値観を180度変えることでもないかぎり このまま すこしづつ大工道具は滅びていくだろう ということです。 昔だったら売らないような看板道具も この人なら というような職人にゆずってきて もう それほど在庫もないので 一見の人や コレクターには 売りたくないそうです。 写真がうまく撮れてないけど 先代の店主が鍛冶屋に道具を作らせたときの型です。 木型を自分で作って 鍛冶屋に渡すんだね。 道具や使い方について 相当詳しくないと こんな事はできない。 人と人 人と道具の幸福な関係が かつてあった という名残です。 さあ こういった文化を見捨てて これから私たちは どんな生き方を目指すんでしょうか。 海岸屋的には だいぶ重い課題です。
by kaiganyafoo
| 2010-05-31 02:14
| 大工道具
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||