海岸屋ふー通信


海浜住宅建築舎
by kaiganyafoo
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「イ」号作戦 いよいよ終盤 左官の出番だ。

みなさん おつかれさまです。




「イ」号作戦を展開している海岸屋ふー 一味ですが
木工事をほぼ終えて左官工事が始まりました。
初日は5人
次の日は7人入ってます。 現場にね。

左官工事。
深いな。
あんまり深いから奥行きがどのくらいだかわかりません。
まず外部
a0157159_17211066.jpg
左官仕上げにするところに、防水の紙を貼って
それから網を張ります。
ラス網ですね。

防水紙はこれ。
a0157159_17234798.jpg
今まではアスファルトを紙にしみ込ませたものだったんですけど
これは少し違う。
ずいぶん丈夫です。
手ではちぎれない という感触。

まあ、この防水層を突破されても通気胴縁があるから
そのまま空気層を通って外部に滴り落ちるようにはなっていますが。

そして網。
軒天井用には柔らかいもの
風呂場には硬くて薄いもの
そして外壁部分はこれです。
a0157159_18250368.jpg
なんだかダワダワしてませんか?
海岸屋の手じゃなくて網のほうが。

通称波ラスとか言います。
厚みがあるので 下地のモルタルをたくさん塗らないと網が隠れません。
なぜか。

左官壁って厚みで性能を出すところがあって
ある程度の塗り厚は必要なんじゃないかと考えているからです。
そうやって厚みのある下塗りをしたあとに仕上げを塗ります。

で、
手仕事のできる大工さんも減ってると思いますが
左官屋さんもずいぶん減ったと思います。

外壁はサイディングに 内壁はクロスに
玄関土間はタイルに 風呂はユニットバスに・・ と
今や住宅の中で左官の仕事はほとんどなくなってきていますから。

でも、サイディングの外壁が定期的に塗装をしないといけないのに比べて
左官壁のメンテナンスってもっとずっと安上がり。
何十年もノーメンテの家もざらにあります。

年配の方が左官壁は剥がれて始末が悪いから嫌いとおっしゃるのを聞きますが
今はもう全然使わなくなった繊維壁のことだったり
地震でクラックが入った土壁のことだったりします。

去年、海岸屋は一年間
左官の勉強会に通って色々な左官屋さんに話を聞きましたが、
世界中で日本の左官技術に匹敵するものはもうなくなっていて
ドイツやフランスに日本の左官の職人が教えに行ってる時代だそうです。
これは松木さんという左官屋さんに教わって 
色のきれいな土で絵を描いているところ
a0157159_19032258.jpg
海岸屋だから波の絵のつもりです。(笑)

こっちは都倉さんという左官屋さんに教わった磨きの技法です。
a0157159_19054156.jpg
心がけが悪いからイマイチ光りませんが
キレイな心の人が磨くとものすごく光ります。(?)

こうやって奥深い左官の世界の入口でウロウロしてても
現場で役立つことがなかなかないんですが
それでも 知らなかったことを知るのは楽しいです。

「イ」号計画は左官の仕上げの表情も決まって
工事も終盤に入ってきました。
楽しみなような ちょっと残念なような そんな気分もいつも通り。
ではまた!





# by kaiganyafoo | 2018-04-14 20:02 | 工事 | Comments(0)

墨付け、刻み、上棟

みなさん おつかれさまです。



海岸屋は ふくらはぎとかがつったりするのを こむら返り と言っています。
それを こぶら返り と言う人がいて、コブラ? がっはっは 
それは聞き間違いの言い間違いだぜー と笑い飛ばしていたのですが・・・・

なんでも知ってるインターネットで検索してみたら
そういう表現もあるのだ と書いてあってびっくりした海岸屋です。

ごめんK女史
そういう言い方があるらしい。





さて
いくつになっても知らないことってあるもんですが
ウチに来て半年足らずのM君、墨付け、刻みのデビューです。
知らないことだらけですな。
a0157159_17170877.jpg
ちなみに 刻み と言うのは構造材を加工することで
墨付け と言うのは加工のために材料に書き込みをすることです。

これはとても小さい建物なんですけど、大きくても基本は同じ。
土台、桁、梁、母屋、柱 と順番に作っていきます。

で、
わりと大事で、しかもわかりにくいところだと思いますが
初めての仕事でも 海岸屋はM君にほとんど何も教えません。
手放し運転(?)です。

もうそろそろ出来るだろう という時期になったら
「次の現場は一人でやってみるか?」 と聞いて
本人が「やりたいです」と答えたら任せる。
それだけです。

修行中の大工さんの難しいところはその辺にもあって
教えてもらってないからできません とは言えない。
「毎日現場で仕事して、何見てるんだ!」と怒られかねないからです。
道具にしても技術にしても 一人前の大工さんを、見て、真似して
そうやって準備を重ねておかなくてはいけません。

逆に、言葉で説明したからといって、
例えば刃物の研ぎだとか、(自転車の乗り方でもいいですけど)
出来るようになるのかと言えばそうではないですよね?

身につける技術というのは、言葉で説明できない部分が多いのだと思います。
海岸屋の親方という人は 非常に高度な技術を持った人でしたけれど、
例えば 鉋掛けにしても 
何かを具体的に教えてもらったという記憶はほとんどありません。
現場や作業場、それから研ぎ場をきれいにしておけ 
という話をされた記憶ならありますが。

a0157159_19185870.jpg
M君の初上棟。
無事に棟があがりました。
一か所だけ手直しがありましたけど
合格点と言っていいかと思います。

彼もこれで安心して眠れることでしょう。
やれやれ
大工さんって大変だな。

ではまた。




# by kaiganyafoo | 2018-04-06 19:58 | 工事 | Comments(4)

奉納! マサカリとチョウナで鳥居を作る

みなさん おつかれさまです。


ものすごいイキオイで杉の花粉が飛んでるらしいです。
でも、海岸屋は自己流で花粉症を治したのでよくわかりません。
ちなみにK女史は「酒」で花粉症を治したらしいです。
「花粉症だなんて言ってる奴は飲みが足りないんだよ」by K女史。
でもお勧めしません 酒療法。
(海岸屋ならば死んでしまう。)





さて、秩父の山奥、栃本と言うところですが
そこで「栃本ふるさとプロジェクト」というのが進行してます。
今年はピノ ノワールという品種のブドウを600本植えるんだとか。
栃本ブランドのワインががぶがぶと飲めるのはいつでしょうか。
(海岸屋ならば死んでしまう)

で、
海岸屋が手伝わせてもらっているのはこれ。
そこの 両面神社の鳥居の掛け替え工事です。
今 建っている鳥居。
40年以上前に建立したということですが
もーかなりヤバい。
この写真を撮ったときから一年たちましたが
それからだって進みましたからね。傷みが。
a0157159_18451759.jpg
栃本地区も当時は人手があったのか、
ふもとで作った材料をみんなで担ぎ上げたと聞きました。
・・・ん?
担ぎ上げた・・?

そうなんです。
ここは車が入れる道路から、
急峻な山道を徒歩で15分くらい登ったところにあるんです。
と、言うことは?

もし材料を担ぎ上げるとしたら、
山の仕事に慣れている壮丁が(つまり屈強な成年男子 ですよ)
30人くらいは必要でしょうね。
無理!
(海岸屋だったら死んでしまう)

では山で加工をしましょう ということになっても・・
電気がありません!
発電機をあげてくるのもほぼ無理!
(海岸屋だったら・・以下略)


つまり、手仕事屋の海岸屋の出番ではないですか。
材料は神社の近くの木を伐ります。

ヒノキを伐採したのが去年の2月でした。
寒中の伐採ですね。
寒中って言ったって・・6寸もある霜柱ってはじめて見ました。
a0157159_18573660.jpg
千葉にはこんなのありません。 うー寒!


伐採です。
a0157159_19100827.jpg
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倒れました。
樹齢は120年くらいだったかな。


これを枝と葉っぱをつけたまま山に寝かせておきます。
葉枯らし乾燥というやつですね。
そして加工をはじめたのが去年の11月。

まず皮を剥きます。
a0157159_14472181.jpg
ウチのM君は丸太の墨付け初体験です。
墨壺が手に馴染んでいません。
a0157159_14514337.jpg
で、
ハツリます。
a0157159_14533116.jpg
関東屈指のハツリ手 〇野君 登場!
(本当は関東一だけどな)
そして・・・
a0157159_14564045.jpg
プロジェクトリーダーの〇冶さんも登場。
さすが元、ラガーマンの丹〇さんパワー型のハツリです。
(今の仕事は服飾関係!)
a0157159_15020553.jpg
車の関係の仕事をしている〇取さんもハツリます。

これは鳥居の笠木になる材ですから
けっこうでかいです。

建築関係の古い本とかを読むと
材に墨付けをする前の工程で 「木づくり」 というのが出てきます。
丸太や杣角(四角にハツるんですな)で現場に入った材料を
梁ならばタイコ(両面をハツるんですな)や
八角(八角形にハツるんですな)にと
今だったら製材屋さんがやるような加工を大工さんがやってた。

図らずも両面神社の仕事では 
その木づくりをやることになっているわけですが、
こういう経験というのは大工さんの基礎体力作りにいいんだと思います。

基礎体力っていうのは普通の意味での体力でもありますけど
墨付けや道具使いの基礎的な力のことでもあります。
木のクセを読んだり木目を読んだり・・

古民家にはあって、今の住宅にはないもの、
一種の生命力のようなものは、
素材の大きさや、
それを取り扱う大工の基礎体力に係るところが大きいと感じます。


いやー
海岸屋一味の仕事って ますますうまくなっちゃうなあ・・
これも両面神社の御利益でしょうか。
建立まではもうしばらくかかります。
ではまた!


# by kaiganyafoo | 2018-03-09 19:13 | 工事 | Comments(2)

和室の天井は竿縁天井

みなさん おつかれさまです。


これからワインを作るぜー! と
本気で活動している人たちのところに通ってる海岸屋です。

みんな勉強熱心なので(!)たくさんお酒を飲むのですが、
味をみさせてもらってるだけで二日酔いになりました・・・
酒量はヤクルトの容器で1本半くらいだったんだけどなぁ。
中学生よりもお酒が弱いです。(それ、違法だから)
お酒の勉強は難しいです。







さて現場は造作仕事、終盤に差し掛かってきました。
このあいだの工事は和室の天井。
昔だったらごく普通の仕事だった竿縁天井です。

天井板をこすっていますね。
a0157159_18563668.jpg
これは木目を浮き立たせるためにやっている仕事で
この仕上げは「浮造り仕上げ」と言います。
うづくりしあげ ですね。 
M君が持っているブラシのようなものも「ウヅクリ」と言う名前です。
カルカヤの根だかなんだかを束ねたらしいんですが
それがなんなんだか調べたことがありません。
もーしわけない。
京都のどこかの老舗の店で見かけて買っておいたもの。
 
アレ?
a0157159_18584842.jpg
うずくり って書いてあるなぁ・・
違うと思うけどなぁ・・

そして
a0157159_19010236.jpg
外丸鉋を出してきました。
20年以上前に海岸屋が自宅を建てたときに竿縁天井を作ったんですが、
もしかするとそれ以来かもしれない登場です。
これを使って こういう加工をします。
a0157159_20520442.jpg
わかりますかね?
上になっている方が部屋の方で、加工してある側は天井裏の方です。

右側の薄くしてあるところが重なり部分で
そこの段差に「イナゴ」って言う、スキマを防ぐ仕掛けを取り付けます。
で、左側はミゾをしゃくってあって、そのミゾの真ん中にさらに丸く削ったのがわかりますか?
これが外丸鉋の仕事です。
これがやってあると、いい具合に天井板がしなってきれいに見えるんです。
ご存じ・・・ありませんよねえ。

そしてこれがイナゴ釘。
a0157159_18490819.jpg
なんか変わった形の釘でしょ?
海岸屋が自分の家をやったときにはこの釘が探せなくて
(インターネットなんか知らなかった!)
糸カスガイを曲げて自分で作ったもんです。


このイナゴ釘を使って天井板が透かないように細工をするんですが、
それはどうやるかというと・・
まあ
アレです。
どうしても知りたい人は個別に申し込んでください。
本イナゴ、イナゴ釘、付けイナゴなどと
はるかいにしえの技の数々をご覧に入れます。(高いよ)


まあ
そんなこんなで和室の天井ができているんですが、
部屋から見上げたときにはただの天井板です。
そこを敢えて説明せずに涼しい顔をして仕上げるというのが
イキというものですから
皆さんは是非ぜひ素知らぬ顔をして眺めてて下さい。


でもまー
そう言うオマエがどうなんだって話ですが
もちろんワタシはイキじゃなくてカエリです。
もうお腹がすいたので。
ではでは! (ひどいな)





# by kaiganyafoo | 2018-03-02 19:09 | 工事 | Comments(0)

海岸屋、伝統構法に挑戦?

みなさん おつかれさまです。


このあいだ組合主催のボーリング大会で84!
というスコアをたたき出した海岸屋です。
同じチームのおん年77才のベテラン分会長さんと同スコア!
おかげでウチのチームはブービー賞でした・・・
「いやー狙った通りにブービー賞取れたねぇ」などと
分会長さんに言わせるとは不甲斐ない。
おまけにたった2ゲームで腰まで痛い始末。





さて 伝統構法とはなにごとか!
と、お思いのアナタ。
業界関係者ですな。

え?
海岸屋ふーって いつも伝統構法で仕事してるんだよね?
などとお感じになっているアナタ。
それは麗しい誤解というものです。

何言ってんだかわかんねえよ!
とキレそうなアナタ。
はい
世の中の大多数であろうアナタのために解説いたします。
(どことなく偉そう・・)



今をさること半年前、
ハ号作戦が展開していたのをおぼえていらっしゃるでしょうか?
別名「ちゃんとした納屋計画」です。

そのときの副産物がこのあいだ、人知れず上棟いたしました。
棟はないけど。
途中経過がこれです。
a0157159_18543219.jpg

これは何か と申しますと,

井戸小屋
and
カマド小屋
and
物置小屋のComplexでございます。なぜ英語。
手押しの井戸ポンプ、通称ガチャポンが写っとるでしょ?



さてここで、伝統構法とは何か という説明をいたしますと、
まず 土台がない、というのがあげられます。
で、
念のため申し上げますが、土台とは木でできているものであって、
皆さんが(誰)土台とおっしゃるモノは基礎であることが多いです。
はい。
現代では基礎は99%、コンクリート製ですね。
昔は石。

わかりましたかー?
土台は木製、コンクリートで出来ているのが
基礎っすよ
(ウザい)


そして伝統構法で、石の上に柱がのっかっているのを石場建てとか言いますね。
それからするとこれはコンクリート沓石場建て、です。
(はい、伝統構法の枠からはずれましたー)
残念。

そして、柱と柱を貫(ぬき)という板でつないであります。
筋交い(すじかい)と言う名前のナナメの材料はない。
まー
土台がないから筋交いを入れても効かないけどね。全然。
それでも貫にクサビを打って固定すると けっこうガッチリします。
やっぱ、昔の人は偉いな。
そして・・・




a0157159_19210518.jpg
これは何をしているのか というと
寒中に伐った竹を割って、下屋の梁に乗せているところ。
えー
なんで竹が必要なのかな? ときょとんとなさった建築に詳しくないアナタ。
コレハ壁に土を塗る下地を作るための材料です。
「竹木舞」 という名前で呼ばれています。

あいにく千葉外房は壁土に適した粘土っぽい土がほとんどないので
どこかいい土があるところまで取りに行かなくちゃいけないようであります。
ねー? 富沢建材株式会社の富沢さん?(唐突に誰?)

基礎が(沓)石場建てで
土台がなくて
筋交いもなくて
貫工法で
竹木舞を掻いて
土を塗っていくのだ・・・ と言うと 
これは伝統構法と言ってもいいんじゃないかなかぁ・・
どうだろ? どう思います?



まー竹木舞は下手かもしれないけど
てんてこ舞いは年中やってるし、
土を塗るのは下手だとしても 恥の上塗りならば達人級です。
とこじつけのような話をしてるってことは・・・

まー
今日はそんなところで! と締める準備をしてるんですな。
まー
今日はそんなところで!





# by kaiganyafoo | 2018-02-23 19:14 | 工事 | Comments(0)