海岸屋ふー通信


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床板張りの心得 またはやせ我慢

みなさん おつかれさまです。


ズボンのポケットに千円札を入れたまま洗濯してしまって
少し小さい千円札を作ってしまった海岸屋です。
2mmくらい縮んだようです。
「ニセ札だ!」 と騒がれるかもしれないので
いつも行く近所のコンビニで使いましたが 何事もなくお釣りまでくれました。
今後、何か騒ぎがあれば犯人はワタシです。



さて、片道95km 二時間かかる東京の現場ですが、順調です。
a0157159_1836868.jpg
これは二階の床の下地です。
杉の赤身の板を斜めに張りました。(大工さんが。)

ここの二階は少し大きな空間になるので
床の剛性が増えればいいなあと思ったんです。
で、
たしか25年くらい前に自分の家でもこれをやった記憶があって久しぶりにやってみたけど
柱や間柱の欠き込みをするところなんかがけっこう面倒くさいんです。
こんなこと言い出したのは誰だ と言いたくなる。(自分だ!)

全部張り終わって やーれやれ と思ってから考えたんですが
これ、合板を張った方がずっと強度は出るでしょうね。
むー
なんだかやせ我慢のような気もする。



でもでもでも・・・



合板の強度がいつまで続くのかわからない、などと言うと 
全国の2×4の大工さんに怒られそうだけど、
ベニヤの床板がフカフカになった現場なんか嫌というほど見てきたし、
逆に杉の床板が何十年 ことによると100年以上も強度を保ってるのも見てきた。

だから、合板の下地の上に無垢の床板を張るのはちょっと抵抗がある。
下地が先にダメになったら全部張り替えだもんね。


それから
古い大工の教科書には下地の捨て張りは斜めに と載っている。
これは、その上に張る仕上げの床板と45度の角度がつくから
どちらかが縮んでも影響が少ないよ という事だと思う。

もちろん、ベニヤの床板は張りたくないよ という海岸屋一味だから
この現場も杉の床板で仕上げるわけですが、
下地も仕上げ材も相当に乾燥している必要があるんです。
どんなに乾燥していてもスキマがあいたりすることは避けられないんだけど、
そこをできるだけ少なくしたい というのはまあ 親心ってやつですよね。(違う)

そんなこんなを言い張っていると
「馬鹿だねー 乾燥済みの材料を入れなよ」 という方がきっといらっしゃいますが、
まことに残念ながら 海岸屋一味はそれも嫌い。 (なんて面倒くさい)

だってあーた、刺身を頼んだのに焼き魚が出てくるんでっせ?
え? 違う?
じゃあ 餅を頼んだのにオカキが出てくるとか。

乾いちゃって粘りがないとか、カサカサで肌が悪いとかっていうのは
現場では海岸屋だけでたくさんなんです。
(ホントだ ってうなずくの禁止)


あれやこれやって好き嫌いばっかり言ってるようですが、
これが床張りの心得ってもんなんです。(おお、言い切ったね)

あるいは時代の末端を行く零細工務店のやせ我慢か。



言ってるわりにはお前、ちっとも痩せないね っていうツッコミは
まあこれも定番ということで また今度 ですな。
では。

# by kaiganyafoo | 2016-06-22 19:40 | 海岸屋ふーの流儀 | Comments(4)

地鎮祭です。

みなさん おつかれさまです。



またもやK女史ネタなんですが、
彼女が京葉道路を80kmで走ってたら 後ろから来ていたパトカーが
「ここは60km制限ですよー」 とマイクで呼びかけながら高速を降りていったそうです。

なぜ取り締まらなかったのかナゾです。
満腹のライオンのような心境だったんでしょうか。


それだけではない。
数日後、目黒付近で一方通行を逆走していて
トラックの運転手さんに怒られていたK女史、すぐ近くの交番のお巡りさんが
「いったんここにバックして向きを変えて・・」 と誘導してくれたそうです。
???
彼女のお父さんが警視総監でもあるんでしょうか。






さて
いったいなぜK女史が目黒の道を走っていたかというと
a0157159_1558219.jpg
左側のこの女性に会うため。
ちなみに右側の男物の長靴をはいた女性がK女史。
左の女性は・・神主さんです。


そう
これは地鎮祭です。
a0157159_1621165.jpg
海岸屋もずいぶん地鎮祭をやってきましたが、女性の神主さんははじめてでした。
でも、今までで一番いい神主さんだったかもしれません。

テントを張ってるからおわかりかもしれませんが 当日は雨。
ワタクシなんぞ、「まー雨降って地固まるとか言いますから・・」 
とか言うくらいが関の山ですが この方は違う。

「お天気は人間の思い通りにはなりません。 でも思い通りにならないことがあるからこそ真剣にお祈りをするんですね。」 とおっしゃったんです。
すばらしい。
目黒の熊野神社です。

なんでもこの地域は今、人気抜群のエリアなんだそうで
ニッカズボンなんかはいてたらダメなんじゃん? と思ってましたが
基礎工事のカシラも大工の棟梁もニッカ。
気にしてないみたいです。

ちなみにK女史は 「この町は私に合うわー。 お金がいくらあっても足りない」 
と言ってました。
言ってる意味がわかりません。

その後、基礎工事は順調ですが、木工事も順調です。
a0157159_16523862.jpg
これは一階の破風の具合と高さを検討しているところ。
ポテトヘッドがバンザイしてますね。
お手上げ、と言ってるわけではありません。
とっても難しい加工が必要になるわけではありますけども。
順調。






おまけの写真はてぬぐい。
a0157159_1710812.jpg
現場からさほど遠くない世田谷美術館で買ったもの。
その話はまた今度にでも。
ではまた。

# by kaiganyafoo | 2016-06-13 17:15 | 工事 | Comments(2)

上棟しました!

みなさん おつかれさまです。

トイストーリーに出てくるポテトヘッドに似ていると言われた海岸屋です。
以前言われたことがあるマリオと同じ系統な気がします。
何の系統かと言われてもわかりませんが。




さて
上棟をしました。
a0157159_1712617.jpg
右下に写ってますねぇ ポテトヘッド。



a0157159_1782952.jpg
今回は洋小屋? 合掌を組んでみました。
3間とばしなんですけど、天井ふところが少ないもんで。

洋小屋、強いですね。
1cmくらいむくって作ったんですが、現場でおさめてもそのまま。
人が乗ったくらいじゃ全然ダレません。
和小屋よりも手間はかかりますけどね。



現場は順調に進んで、もう破風もついてます。
a0157159_17304157.jpg
前回の記事で干してあったヒノキの板、アレですね。



アップ。
a0157159_17332376.jpg
あっ!スキマが空いてる!
大変だぁ・・

ま、そろそろくっついている頃です。(魔法?)
次回の記事にはそんな写真がアップできることでありましょう。
ええ
木の動きを読んでいる大工さんならばみんなできる事です。
(偉そうに、とか上からだ、とか言われるのはこれだよねすんません)




今日はこんなとこ。
おまけの写真はウチの庭のビワ。
a0157159_19425615.jpg

ウマいよ。
a0157159_1948870.jpg
売ってるビワよりもウマい(註 当社比)
ま、木に登って食べるから無敵なんです。
ええ田中(ビワ)無敵。
と、いったところでまた今度。

# by kaiganyafoo | 2016-06-09 21:38 | 工事 | Comments(2)

そしてダメ押し ノコギリの世界

みなさん おつかれさまです。


千葉 外房 数日雨でした。
a0157159_20244546.jpg
海岸屋の庭先では ヒノキの板を雨に打たせている。

材木は立てたほうが乾く
そしてさかさまにしたほうが乾く
さらに雨に打たせたほうがもっと早く乾く
OK?
良い子の皆さんは憶えておいてね。


これは屋根のはじっこ 破風(はふ)にする材料。
まー
今から言っときますけど 立派な破風になりますぜ。
(ハードルを上げるのヤメテ と大工さんに言われたけども)





さてもうほとんどいやがらせ
ダメ押しノコの話。
これ。
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左から8寸 9寸 尺 尺一  というサイズです。

海岸屋の手が写っているのは これチョーダイ と言ってるわけではなくて
比較するため。

ノコギリって実際測ってみると呼び寸法よりも短いんです。
だから一番左の8寸の鋸は、歯のついてる部分って8寸ない。
小さいよね。

大工さんは8寸鋸で 造作仕事、 例えば鴨居を取り付けたりします。
小さい鋸って、精密な仕事をするためにあるんですね。
今は和室がすっごく減ってるから あんまり出番がないかも です。

その隣りの9寸は中くらいです。
わりと何にでも使う。
キザミ仕事 と言って 構造材の加工に使うこともあるけど
「そんな小さい鋸でチマチマやってちゃダメだ」 などと言われることもあり・・
造作にも、ちょっと大きいけど普通に使えます。

で、その隣りは尺ノコ。
刻み仕事では大活躍します。
この鋸で能率よくバリバリ刻んで、しかも精度も高い・・ってのが理想ですかね。
今の刻み仕事って、材料はみんな四角に製材したものばっかり使うし、
そんなにバカでっかいものも使わないから、これがあれば十分間に合います。
(曲がったのも丸いのも使えって話だけども)

ですから、それよりも大きい尺一 (しゃくいち って読んでね。)ともなると
さあ・・どんな仕事で使うかなぁ・・ というくらいです。
ふっとい松の丸太の梁 とかですかね? 


もっと精密な仕事をするんでしたら7寸って鋸もあるし
ノコ身が薄くてへなへなするから背金で支えてる胴付き鋸ってのもある。
建具屋さんとかが使うイメージですね。

こんなのもあります。
a0157159_2116735.jpg
畔挽き鋸(あぜひきのこ)。
障子とかふすまのところに鴨居ってあるけど、(上のほうのヤツね)
そのミゾを作る専用の鋸。

ミゾの右側挽いて
左側挽いて
鑿であらかた掘って
脇取り鉋と底取り鉋で仕上げて・・  と昔の鴨居は手間かかってますな。

両刃のタイプもあるけど、これは片刃。 縦挽き。

今は電気の丸ノコがあるから 全く使い道がないです。
(じゃあなんで持ってんだよ!)

ま ま ま
ノコギリの話も思えばいろいろとあります。
地元千葉の鋸 房州鋸の系譜とか。
(はい 誰も読まない)
どうやったらノコ挽きがうまくなるか の練習とか
(はい 誰も読まないⅡ)




そんな鋸でやってる刻み仕事。
a0157159_8192074.jpg
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今の海岸屋の戦場。

# by kaiganyafoo | 2016-05-09 21:16 | 大工道具 | Comments(2)

ノコギリ拾遺

いやいやいや
みなさんどうも。


自宅でグレープフルーツを収穫したりなんかしてる海岸屋です。
半袖でやったら傷だらけになっちゃった。
不死身の杉元・・・ほどじゃないな。
これ。
a0157159_186892.jpg

ブドウのようですか?
生りすぎなんじゃないの、っていうくらいに生りますけど。

花の香りはジャスミンに似てるかな。
a0157159_1871270.jpg






さてノコギリの話。
しつこくて申し訳ないな。

まず、目立てですがね。
昔、職人は鋸の目立てを自分でやった と言います。
こんなふうに。
a0157159_1874398.jpg

これって何をしてるかというと「上目を擦って」いる。
刀で言ったら、切っ先(だけ)を研いでいる、とでも言うのかな?
鋸は主にその部分で木を切ってますからね。
すると切れは回復する。

でも極端な話、何回も上目を摺ると鋸の刃のギザギザが小さくなっちゃいますよね?
アサリも少なくなってくる。
そうすると、本職の目立て屋さんに出して「擦り込み」をやって
刃の大きさを回復してもらうんですね。
そのとき、アサリも出してもらうし、ノコギリ全体がゆがんでいたり 「コシ」が抜けていたりしたらなおしてもらったりもします。
もっと言えば、ノコ身が折れちゃったり大きく欠けたりしたものを溶接するとか
横挽きばっかり減っちゃったら横挽きと縦挽きをチェンジしてもらったりもできます。
さすが本職、ってかんじですよね。

大工が使う道具のなかで、鋸だけがほかのものと違うのはそこなんです。
鑿や鉋はこんなことはない。

今、ほとんどの大工さんが替え刃の鋸を使っているわけは
身近な目立て屋さんがみんな廃業してしまったから というのもあります。
(もちろん他の理由もある)
海岸屋に言わせれば、目立て屋さんくらいひどい目にあった商売もないと思いますよ。

想像でモノを言いますが、おそらく全国の目立て屋さんは
もーのすごいイキオイで減ってるか、
もう減るだけ減っていなくなってるかどっちかだと思います。
そして 
それが下げ止まるのか、それとも全滅するのか、 それは海岸屋にはわかりません。
もし全滅したら、持ってる手鋸は全部ゴミに等しいものになります。
ヤバい。

例えば 昔は小さな町にもたいていいた個人の技術職、
和服 洋服の仕立て屋だったり 下駄屋だったり ハンコ屋だったり
そんな人たちと同じように目立て屋もいました。
でもほぼ全滅。
誰かいますか? 最近、そんな職人に何かを 「誂え」 させた方。
いませんでしょ? (決めつけ)

ある程度少なくなると お客さんの視野に入らなくなるんですね。
選択肢に入ってない。


さて そこでだ。 (みなさんお立合い とか言いそうだ)
手仕事の良さを見直しませんかね。

手間を省くこと 合理的とかいう安い言葉を疑ってさ、
手間をかけることの豊かさを欲しがってみませんか とか。
(コピーライターの才はありませんよ ええ ダメは承知)


だってさぁ
このあいだ呼んでもらったバーベキュー。
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焼いてるものは、サザエ、ハマグリ、カツオ・・さすが外房・・じゃなくて
参加したメンバーが、ギャラリーオーナー(作家を探すのが天職)と、
手作り靴を作る人と、木工作家と陶芸家(など)のご夫婦と ・・・とかですよ?
あとは手仕事屋の海岸屋一味だ。
ね?
今はそんな時代。 (そんなのアンタのまわりだけ とか言うの禁止)

目立て屋さんの仕事だって すごく大事だし とてもクリエイティブだと思うけど
残念ながら わかりにくい。
いい鋸をちゃんと目立てしたときの具合の良さとか
目立て仕事の奥深さ とか
たぶん 知ってる人がすごく少なくなってるし、(本職でも です。)
その仕事の将来を信じることができなくなってるように思います。(当事者でも です。)

だから、誰かそこを広めて下さい。
この前も言いましたけど、日本の鋸は世界一なんです。
もちろん、それを手入れする目立ての技術もね。

こんな話をする海岸屋のキモチは グレープフルーツを皮ごと食ったほど苦いですよ。
そこのアナタ、強引なオチとか言ってますが、
半袖で収穫したから腕が傷だらけだけど、目立て屋さんの心の方がもっと傷だらけだぁ。
どうだ。


ふー
体が利かなくなると口が達者になるってホントだな。
やれやれ。

ではまた。

# by kaiganyafoo | 2016-05-09 19:24 | 大工道具 | Comments(1)