海岸屋ふー通信


海浜住宅建築舎
by kaiganyafoo
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木材との付き合い

みなさん おつかれさまです。


手刻みの仕事をしながら
小刻みにブログのアップもしなくちゃいけなくて
なんだかみじん切りの海岸屋です。
(料理の素材だったら誰も食べない)



さて、前回書いた外壁材のことですが、
まーいつも通りそのままとぼけちゃおうと思ってたんです。
でも質問していただいたからにはお答えします。
それほどたいしたもんじゃなくてもね。


さて、
外壁の材料、ここでは杉の15mm程度の厚みの板ですが、
赤身で挽いてもらったものですから挽き立て材で当然ズブ生。
(註・丸太素材の辺材である白太部分は耐久性において弱いため、心材部分の赤身だけを使って板を作ってくれ という注文を出した。丸太から製材したばかりなのでまるっきりナマでズブズブでーす ということっす。長くてごめんね。)
これをこのまま現場で取り付けると大変なことになるので
できるだけ乾燥させた状態にしたい というのが今回のお話です。


まず、木材は寝せておくよりも立てておいたほうが乾きます。
(なぜそうなのかはわかりません。経験則ってやつですかね)
さらに、逆さまに立てた方がより乾きが早いと言われています。
(同上・・・・手抜きか?)
そして、雨に濡らした方が良く乾く とも言われています。


・・・
濡らした方が良く乾く・・
禅問答のようですなぁ・・むほほ
とか言ってると怒られそうなので説明を試みてみます。



木材の乾燥の目的の大半は、収縮と変形を防ぐことにあると思います。
まー 防ぐったって防げないから、あらかじめそれを出し尽くすという手ですけどね。

で、木材の中にある樹液、乾燥が進めば樹液成分になるんでしょうが、
これを木材の中から追い出しちゃえば寸法が安定しやすいんじゃね? 
というのが理屈のはじまりで、
おーそう言えば山からイカダで丸太を出していた時代って材料が良かったって話もあるよね とか言う人もいたり(伝聞です)
いやいや琴を造ってる連中なんか、ほとんど腐るまで材料を雨に打たせておくよね とか(本で読んだ)
桐のタンス造る人はお湯に浸けて足で踏んでたよ とか(動画で見たっけな)
昔から木材を濡らすことで材質を改善(と言っていいのかどうか)することは広く行われています。

それから
伊勢神宮の材料なんかは丸太で運ばれてきたものを、すぐに池(プール?)に入れるようになってて、たまにぐるっとまわしてロープで留めて、まんべんなく水に浸かるようにしてます。 そうやって一定期間水中で養生したものを引き上げて製材して、それから倉庫に入れて(トテモ)慎重に乾燥を進めます。 もう、係の人が気合い入れてますから、倉庫の扉だって入るときだけぱっと開けて入らないといけないくらい です。(これは見た)
伊勢神宮の御用木というのは野性的な材料も多いはずですが、そしてなかなか見られないくらいの巨木もたくさんあるのですが、いわゆる干割れというか乾燥するに従って発生する割れは驚くほど少ないように私には見受けられました。

蛇足ながら
あとで狂うと腹が立つ木材No.1 の鉋の台なんかは(樫です)
水に浸けておくと 不思議なゼリー状のものが木口から出て来ますが
一体どのくらいの期間浸けておくのがいいのか一ヶ月単位で試したこともあります。
西岡常一さんの本にも樫の丸太を水に浸ける話が載ってましたね。
結果的には鉋台を水に浸ける必要はないと言うのが海岸屋の判断ですが。

様々な傍証を述べました。
木材が乾燥しても、樹液だった成分はその中に残り、そしてそれは湿度という名前の空気中の水分と親和性が高いためにそれと容易に結合します。その際に体積が増減するために乾燥してからの木材の変形や収縮の原因になる という推測がそれらから導きだされていると思います。

そしてその樹液成分の水分との親和性の高さが理由で、ナマな木材の中の水分はなかなか蒸発しません。ならば樹液ごと木材の外に流しだしてしまえ、というのが雨に打たせたり、水中養生をして乾燥を促進する理屈なんだと思います。


ただ、ここが面倒なところなんですが、その かつて樹液だった成分、略して
「J成分」は悪さばかりをするわけではないのです。(私見)
 
例えば栗の木は湿気に良く耐える木として知られますが、すごくアクが出る木でもあります。
栗の木を加工した人は皆知ってますが、栗に触れた刃物は青黒く染まって、濡れ雑巾などで拭いたくらいでは取れなくなります。
つまり栗のJ成分は濡れ雑巾程度の水分では侵されない結合をしていて、それは栗の木の耐湿性 耐水性に貢献する役割を果たしている と考えられます。

ヒノキの香りは好きだからずっと残ってるといいなぁ とか
松のヤニは邪魔だから出て来なきゃいいのに とか
まーワタクシを含めて人というものは勝手なことばっかり言いますが
様々な樹種の様々なJ成分はそれらの特徴の根源でもあるのでしょう。
それらを全部抜いてしまえば無味乾燥な繊維の束に成り果てるかもしれません。
はい
艶も耐久性もないヒノキや
強度のひっくい松 などですか。

ではではお前はなぜに15mmの杉板をそんなに雨にさらすのだ?
ぐるっとまわって突っ込まれるわけですが、
(いやもう誰も読んでないって。ねー川越さん)
所詮外壁、この先何十年も雨に打たれ続ける身の上なわけであります。
屋根に守られている構造材とは違う。
構造材に求められるのはフレームとしての強度ですからJ成分は抜かない。
捩じれようとか狂っちゃおうったってがっちり刻んじゃってばっちり組んでありますから(大工さんが ですよ?)そこは大丈夫っす。
一方、外壁に求められるのはバリアーとしての性能ですから寸法の安定性は欠かせません。
基本、釘で止めつけていく程度ですしね。
J成分は少し減らしたい。
そして
ここから先はまた続く になるんですが(ホントかぁ?)
木材の耐候性を増すための試み というものをこの現場では試そうとしているわけです。
抜いた外壁材のJ成分のかわりにガラス成分を浸透させてみようか と。

まー
もー
前代未聞に字ばっかりなんでつまらない記事になっちゃってるし
この辺でやめときます。

J成分と水の親和性よりも
有限会社海岸屋ふーとお金の親和性の方が問題かもしれず、
ガラス塗料の値段の高さにめげてしまいそうな昨今だぜ! と
一応責任転嫁をしつつ また今度!

はーやれやれ。





by kaiganyafoo | 2017-04-22 07:38 | 工事 | Comments(4)
Commented by 余計なお世話かも at 2017-04-22 22:31 x
桐の産地に行くと材料を 井桁に組んで雨ざらしに
してありますネ
樫の木は 伐採してから 一雨当たる事に
安くなるらしいッス
カンナの台狂わなくする方法 今度会ったときにでも
(集成材じゃないやつね)
Commented by kaiganyafoo at 2017-04-23 07:05
下駄の材料なんかもそうしてますね。
逆に樫は雨にあてるとダメですか。
茨城で見た樫専門の製材屋さんは外に大量の板を積んであったけど、トタンで養生してあった・・気もします・・

鉋の台がくるわなくなる方法?
そんなのがあるんですか?
集成はアレだし、油台もアレなんだけど他にもあるんですね?
知らなかったっす。
今度、是非。

昨日目次さんの鉋がウチに来ました。
使ったことがないから試してみます。
Commented by 川越 at 2017-04-24 12:57 x
>kaiganyafooさま
木によっていろいろあるんですね。確かに栗の木を切るとノコギリも斧も色が付いてしまい取れなくなります。切り倒して濡れるとヌルヌルが出る気もあります。一昨年は太いハゼの木を2本もチェーンソーで切り倒したら、まる2ヶ月も苦しんだ樹液もあります。(^^;

薪にするにも一冬雨にさらしたり雪に当てるとカビないし、より水分が抜けると聞いたこともあります。立てておいたほうがいいとか、根元を上に向けるとか、「へ〜、へ〜、へ〜」と思うことばかり。続きもさらにさらに期待してやみません。(^^)/
Commented by kaiganyafoo at 2017-04-28 09:01
川越さま
山で木を伐ったりされるんですね。 
私は伐採を見様見真似でやることがありますがいつまでもうまくなりません。危ない仕事ですしね。
ハゼはうるし並みにヤバそうですし。

木材の乾燥は今は重油などのボイラーを使った強制乾燥が主流で、KD材などと言われて流通しています。
ただ、それは温度が高すぎるというか、乾燥が過ぎるというか、材木としての性能に疑問を持っていて、 時間がかかっても自然乾燥を選びたいと思っています。
以前は材木屋さんも乾燥についての見識がありましたし、新木場などに行けば名人もいましたが今はどうなんでしょう。それに比べれば私がやっている乾燥などは児戯にも等しいレベルです。
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