海岸屋ふー通信


海浜住宅建築舎
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硬木を削る2

日曜日ですが みなさんお疲れ様です。

千葉は朝から震度4の地震で
こんなのも余震っていうんでしょうか。
あんまり何回もゆれていると
建築物がだんだんやわらかくなったりしないんでしょうかね。



さて 昨日の続きで硬木の削りです。
硬木を削る2_a0157159_2158473.jpg
これが先輩の鉋
なんか変ですよね。
はい。
刃を裏返しに入れてます。

あとは なにも変わらない。
普通の研ぎで 普通の台仕立て。

ただ みなさん これをやってみると判りますが
普通は刃を裏返しにしたら 台に入らない。

海岸屋もやってみました。
たくさんある鉋のなかで
それができたのは2丁だけ。

先輩が「調整して入るようにすればいいんだよ」
と言うので 表にして入れた時に使いにくくなったらやだしなぁ と言ったら
「刃の方を調整して 普通仕込みのときも 裏返しのときも使えるようにするんだ」
ということでした。

かなり面倒な仕込みになることが想像されますね。


さて この鉋の刃の角度ですが
仕込み勾配を8寸として 刃先の角度を28度とした場合
たぶん65度くらいの角度になっている と思います。

金属加工などの言い方だと すくい角25度 とかになるのかな。
とにかく 立鉋に比べると だいぶゆるい角度です。


さて ここで海岸屋は考えた。
すくい角25度を実現すればいいだけだったら話は簡単。

裏を28度に研いで 普通に仕込めばいいんじゃん?
(おー 海岸屋 天才的!)
台をいじるよりも 裏をほんのちょっと 研ぐほうが早いし
その分を研ぎ下ろせば また普通に戻せるし。

で やってみた。
硬木を削る2_a0157159_22172957.jpg
刃先をほんの少し研いだ。

替刃鉋の技秀の 逆目止めの刃先よりも
だいぶ大きく研いだよね。
ただ、28度のつもりが もう少し角度がついていたみたいで 30度くらいかな?

さあ ウリンを削る。
硬木を削る2_a0157159_22211018.jpg
先輩が裏返しの刃で出した鉋屑とそっくりです。

だが 別の課題が発生。
「引きが重い」  なぜ?

刃先の形状が 片刃28度と  両刃56度の違いか?

納得できないので この鉋の刃を研ぎなおして
裏返しに仕込んで削ってみることにした。
硬木を削る2_a0157159_22274720.jpg

硬木を削る2_a0157159_22281931.jpg
背中なじみをいじってないので変なところが膨らんでいますが
こっちで削ったほうが 引きが軽い。

刃先角の問題ではないとすれば 残る部分は逃げ角。

逃げ角とは この場合 いつも研ぐ表の部分から材料までの角度。
実際には 仕込み角度8寸勾配=約38度から 刃先角度28度を引いた10度
これが 普通の鉋の逃げ角になります。

これに対して 刃を裏返しに仕込んだ場合の逃げ角は
仕込み勾配そのものの約38度になる・・・ような気もしますが
実際には 最後の写真をみても判るように ほとんど角度なし に見えます。

だって 台の下端が材料にくっついているし
刃先はそこからほんの少ししか出ていないから。

さて
逃げ角は 引きの重さに関係するのかどうか・・・
疑問は 尽きることなく いくらでもでてくるのであった・・・
(なんだ この終わり方は)


おまけの写真
硬木を削る2_a0157159_22453833.jpg
研いでくっついちゃった鉋刃の写真。

え?珍しくもない?
はい すんません。


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by kaiganyafoo | 2011-05-22 22:52 | 大工道具 | Comments(11)
Commented by ダイアン at 2011-05-23 08:05 x
すごいですね。砥石がまたいいね。中山の戸前ですか?。
Commented by kaiganyafoo at 2011-05-23 19:56
ダイアンさん こんにちわ 
たしか 大工塾のときも 削ろう会でも お目にかかってます。
ご無沙汰しています。

お恥ずかしいような研ぎですが
砥石はけっこう気に入って使っています。

ずいぶん前に京都の木村砥石さんに頼んで
送ってもらった砥石です。
山も名前も忘れてしまいましたが
ダイアンさんの見立てで間違いないように思います。

柔らかい砥石ですが
刃物によってはいい刃がつきます
海岸屋が岐阜の削ろう会でいい成績を取ったときは
この砥石で五台山を研ぎました。
相性がいいようですね。
Commented by ぽーる at 2011-05-23 21:52 x
すごい違いですねぇ!
堅木クラスを削ると普通の仕込みの方が綺麗に削れるんでしょうか?
この方法は文書では見たことありましたが実際にやって削ってるのは初めて見ました。
裏金なし(当然つけれませんね^^;)
刃口大でOKなんですねぇ。
Commented by kaiganyafoo at 2011-05-23 23:28
裏を研いで 普通の仕込みで鉋掛けをした場合は
裏座が仕込めます。
たぶん 多少ではあっても役に立つんではないか と感じました。

裏返しで仕込んだ場合は
裏座は仕込めませんね。

鉋を引いては こっちのほうがいい調子です。
なぜかわかりませんけど 刃の持ちも
こちらのほうがよかったです。

ただ これを7寸勾配の台仕込みでやってみたいです。
材料の仕上がりが もっとよくなるような気がします。

刃口の大きさはどうなんでしょうか
専用の台に仕込むならば
細くしてもいいかもしれません。

まだまだ遊べる部分は
いっぱいある気がします。
Commented by kaiganyafoo at 2011-05-24 00:10
ぽーるさん 追伸です

堅木もいろいろですが
タモ 栓 クルミなどは
8寸勾配仕込みの 刃先角28度で
全く問題ないです。

ナラは粘りがあって けっこうくたびれますが
刃先角を変えなくても なんとかなります

ケヤキですが ガンコな個体があって
逆目がツヤ消しになって苦労するときもあります
それはまた 独特の仕上げ方があります。

機会があれば アップできるかもしれません。
Commented at 2012-11-23 22:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kaiganyafoo at 2012-11-24 22:35
はじめまして 柳ういろうさん。

欅の仕上げ方は 通称粉仕上げと言います。
文章で説明するのは難しいですね。
先輩の考えた方法ですが 鉋屑はつながりません。
刃先は大きなダメージを受けます。
・・・わかりづらいですね。

今度先輩にやってもらって
写真をのせられればいいですね。
Commented by かつもと at 2019-01-02 01:41 x
はじめまして。欅の鉋仕上げを検索してたどり着いて以来、頻繁に勉強に来させてもらっています。私は仕事で欅に鉋をかける事が多いです。ふーさんのブログには鉋の、実戦の情報が書かれていてとてもとても勉強になります。
普段は見ているだけなんですが、反対に仕込む鉋について書かれた本を見つけたので、ぜひ見ていただきたくコメントしました。
木工術教科書 伊藤為吉 著 (共益商社, 1894)
という本で、第二十節 返刃鉋 と書いてあります。
国立国会図書館デジタルコレクションにてインターネットネット上で閲覧できます。
両刃鉋というのも載っていました。
Commented by kaiganyafoo at 2019-01-03 19:05
かつもとさん こんにちは。
伊藤為吉さんの本、ネットで読めるんですね。
すごいなー
教えていただいてありがとうございます。
できればその本を買いたいと思ったけど売ってませんね。残念。

ついでに少し検索してみたら この伊藤さんはけっこうな伊藤さんなんですね。
村松貞次郎さんが伝記を書いたりしてる。
ついその本を買ってしまいました。貧乏なのに・・

ケヤキの鉋掛けは今日もしました。
160年前の古材の木口をガシガシと。
もちろん手がパンパンです。
そんなのが嫌いじゃないから困ったもんです。
鉋掛け、楽しいですよね?
Commented by 山田潤 at 2019-06-25 16:08 x
こんにちは。ご無沙汰しております。裏を引いた鉋の引きの重さは、他に二つ原因があります。文章では説明しにくいので、また今度お会いしたときにお話しましょう。
Commented by kaiganyafoo at 2019-06-27 18:46
山田さん こんにちは。
ご無沙汰しております。 もう、京都には長いこと行ってないので本当にご無沙汰です。 そろそろ再開しなくては と思ってる、現状死んだも同然のブログへようこそ!なんですが、山田さんの削り理論に田中の理解力がついて行けますかどうか・・・ 今度京都に行くときには連絡してから行きますので勉強させて下さい。
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